「休日は出かけないともったいない!」を取りまく心理
「休日は出かけないともったいない!」とくに天気のいい休日となると「こんなに天気がいいのに、どこにも出かけないなんて…」と、出かけないともったいない気がしてモヤモヤする
そんな人は、あなただけではありません。
そもそも人は得をするより損をしたくない
知っていましたか?
人は、得をするより損をしたくない生き物なんです。
心理学では「損失回避の法則」という言葉がありますが、得をする行動より、損をしないための行動を重視します。
損をしたくないと思うのは人間の性質であり、「休日は出かけないともったいない」と思うのは当たり前のことだと思うと、少しは気持ちも楽になるのではないでしょうか。
休日は一週間のうちたったの2日間。貴重な2日間を楽しまなきゃ損だ!と思うのは当然のことと言えるのです。
しかし世の中には「休日は出かけないともったいない」と思わない人もいます。
これは単なる価値観の違いであり、「休日は出かけないともったいない」と思う人は、つぎのような考えを持っているだけ。
家にいること=刺激がない、つまらない
出かけること=刺激がある、充実している
「損をしたくない!」という心理はいろいろな場面で見られ、食べ放題で食べすぎる人もそう。適度に食べたほうが、そのあとの時間を心地よく過ごせるのに、食べすぎて苦しくなります。
つい先日も、筆者は似たような経験をしました。ランチプレートについているはずのスープがついていないことに後から気づき、もうお腹いっぱいなのに、なんだか損をした気分になってスープをもらってしまいました。
人は得をするより損をしたくない生き物だとわかっているのに、損をしたくない気持ちを止められなかったのです。
そのほか、読みかけの本が面白くないのに「せっかく買ったから全部読まないと損だ!」と、面白くもない本を読んで時間を消費します。
損をしないための行動が、じつは損をしていることもよくあるのです。
選択肢が多いとストレスになる
もし休日が大雨だったら「今日は家で過ごそう」と、まず「出かける」という選択肢をいさぎよく捨てることができますよね。
「家で映画でも観ようかな」
「読んでない本でも読もうかな」
と、心置きなく家で過ごすことができます。
しかし外は晴れている。
そうすると「出かける」という選択肢が生まれます。
ここで「出かけたい」人は喜んで出かけますが、「出かけないともったいないけど、出かけるとお金使うしなー」と、「出かけない」という選択肢を捨てられない人には迷いが生じます。
人にとって迷う時間はストレスです。
選択肢が多すぎるほど、かえって人は決められず、行動できなくなることがあるのです。
そうして休日の時間がどんどん過ぎてゆき、結局なんだか無駄に過ごした…と思います。
「決める」ことが苦手な人のなかには、休日に何をすればいいのか(何をしたいか)わからず、仕事がある(決められたことがある)平日のほうが気持ちが楽な人もいます。
休日に出かけることがリア充!?
世の中的には、休日に出かけている人のほうが、どうしてもリア充に見えてしまいます。
ほかの人たちは休日に出かけて楽しんでいるから、自分も出かけて楽しまなきゃいけない。
「家にいるより出かける方がいい」という風潮さえあります。
そうすると「休日は出かけないともったいない」ような気がしてきます。
しかし人は義務でやることは楽しめません(好きなことを仕事にすると、好きなことが楽しめなくなる場合もコレ)。
「出かける」ことが義務になると心理的負担となり、「休日は出かけないともったいない!」という考え方をやめたくなります。
「休日は出かけないともったいない!」がなくなる3つの方法
ここからは「休日は出かけないともったいない」という考え方を、なくす方法をご紹介していきます。
1. 「家でも充実した楽しい時間を過ごせる」ことを知る
「休日は出かけないともったいない!」という考え方をやめたい場合は、家でも充実した時間を過ごせることを知ること。
筆者はお出かけが大好きです。
しかし家で過ごす休日も同じぐらい楽しみます。
家でも充実した時間を過ごす方法をたくさん持っているからです。
・断捨離をして気持ちのいい部屋にする
・スキンケアについて勉強して美肌を目指す
・行きたい国の写真を集めてモチベーションを上げる
・映画をみて感動を味わう
・手をかけて料理をして達成感を味わう
つぎの項目にもつながりますが、自分の意思でやることが、人間の「幸福度」にとって重要なのです。
断捨離も「やらなきゃ…」と思ってやると楽しめませんが、「断捨離して気持ちのいい部屋にしたい!」と、自分の意思でやると楽しめますよね。
2. 「休日に何をするか」より重要なことがある
休日に家でダラダラすることに罪悪感をおぼえる人は多いでしょう。
しかし「この休日は徹底的にダラダラを楽しむぞ!」と決めた途端に、ダラダラすることが有意義なものになります。
何をするかより、自分の意思で行ったかどうかが重要なんですね。
「本当はダラダラしたくないし、ダラダラ過ごすなんて無駄な時間だよなー」と思いながらダラダラすれば無駄になるし、「自分を休ませてあげる」「徹底的に自分を甘やかす」と意思をもってダラダラすれば、意味のあることになるというワケです。
人は自分の意思で決めたことに、幸せを感じます。
休日に出かけるにしても、出かけないにしても、自分で「それをする」と決めて、する。
「今日は断捨離をして気持ちのいい部屋にするぞ!」と決めて、掃除をして過ごせば、出かけなくても充実した休日になります。
たった1つでいい。
休日に1つテーマを決めて、それを実行するだけで充実した1日になります。
出かける、出かけないは関係ないのですね。
3. 自分の過ごしたいように過ごしていい
休日に出かけている人のほうが、どうしてもリア充に見えてしまいますよね。
「私は家で過ごすほうが好きだ」と思っていても、他人の目を気にしたり、他人を介入させてしまうと「休日は出かけた方がいいのでは?」「出かけないともったいないのでは?」と考えてしまいます。
こうして知らない間に他人に振り回されると、本当の自分の気持ちではないので、なんだかモヤモヤします。
休日は自分のやりたいことをやるのが正解です。
他人は他人。
最終的には、自分の過ごしたいように過ごすことが幸せです。
ただ、自分の人生に他人を介入させることが当たり前になっていると、自分の本心がわからなくなります。
根気づよく「私はいま、何がしたい?」と自分に聞いて、自分がしたいことをするといいでしょう。