もし自分以外、誰もいない無人島だったら。果たしてお洒落をするだろうか?
むかしの筆者なら、「おしゃれをしない」一択でした。
おしゃれは他人に見せるためにするものだと思っていたし、誰も見てくれる人がいないならお洒落をする必要はない、そう思っていたのです。
しかし今は、誰もいない無人島でも「お洒落をするかもしれない」と思うようになりました。
まだ「かも」ですが。
他人に見せるために ”おしゃれ” をしていた頃

他人に見せるためにお洒落をするとは、つまり「可愛い」と思われたいとか、人によっては「お洒落な人」だと思われたい、「モテたい」など、さまざまな思惑をファッションに投影することです。
こうした他人軸のファッションが当たり前になっていた当時、おそらく自分に自信がなかった。
自分では自信があるつもりでいたけれど、無意識下では自信がない自分がいたのだと思います。
今ほどSNSが流行していない時代だったにも関わらず、”すごい” ことができる他人と比べて「私には才能がない、センスがない」と落ち込み、”すごい” 人にならなくては!と頑張っていました。
お洒落をすることで ”すごい” 人に見せようとしていたのです。
そして、他人に見せるためのお洒落は、承認欲求を満たしたかったのだとも思います。
とはいえTPOは大切だし、他人を不快にさせない程度にファッションに気をつかうのは当然だと思っています。
友人とランチをするにしても、友人がおしゃれをして来てくれたら「私とのランチ、楽しみにしてくれいたのかな〜」なんて嬉しくなります。
おしゃれをすることは、他人を楽しませること。
こういう意味での「他人のため」のおしゃれはしていきたいと思います。
自分のために ”おしゃれ” をするようになった理由

筆者が自分のためにお洒落をするようになったのは、なにかキッカケがあったわけではなく、長年取り組んでいるご自愛活動による意識の変化です。
ご自愛活動とは、自分を喜ばせること。
「今日はどうやって私を喜ばせてあげようかな」と、最初は意識的にしていたけれど、そのうち、ほぼ無意識に自分を喜ばせることを考え、行動をとるようになりました。
そんなことをしている最中、ある日「自分のためにお洒落をするって楽しい!」と気づいたのです。
なんの前触れもなく。
自分のためにお洒落をすることも、自分を喜ばせることの一つですよね。
誰かと会うわけではないけれど、休日におしゃれをして外出する。
たったこれだけのことで気分が上がり、ひとりで過ごす時間も楽しくなります。
自分のために ”おしゃれ” すると自己肯定感が上がる

他人軸のお洒落をしていた頃は、誰かに会う予定がなければ、「この服でいいや」と2軍、3軍の洋服をひっぱりだして外出することが多かったです。
さほど気分が上がらない服を身にまとっていると「今日の私はイケてない」と、どこか後ろめたさを感じるもの。
当然、自信がもてるはずもありません。
うっかり知り合いに会えば、逃げ隠れするでしょう。
しかし、たとえ誰かに会うわけではなくても、自分のためにお洒落をして出かける。そうすると自分に自信がもて、堂々と振る舞えるようになります。
スーツを着ると背筋が伸びるような気持ちになったり、着物を着るとおしとやかになります。華やかなドレスを着れば、華やかな気分になり淑女のように振る舞うかもしれません。
人は着るもので意識がかわります。
着るものでセルフイメージが変わります。
つまり、お洒落をすることで自己肯定感だって上がるのです。
他人のための ”おしゃれ” で自己肯定感が上がらない理由

お洒落をすることで自己肯定感が上がると言っても、「こう思われたい」という他人軸のおしゃれでは自己肯定感は上がらない。
他人軸のおしゃれは、誰かから「こう思われる」ことで、他人軸の自信をつけようとする行為だからです。
誰かに「可愛い」と言われることを自信のバロメーターにしていると、「可愛い」と言われなくなれば自信をなくします。
他人目線の「可愛い」より、自分で自分のことを「可愛い」とか「綺麗」だと思えることが、ゆるぎない自信につながります。
だから、自分のためにお洒落をすることが自己肯定感アップにつながります。
厳密にいうと、自己肯定感と自信をもつことは違います。
自己肯定感とは、どんな自分でもOKという自己受容という土台があり、「私ってけっこうイケてるよね〜」という肯定感をもつことです。
そして「私はできる!」という自信の土台となるのが、自己肯定感だと言えます。
なので他人軸の評価では、なかなか自己肯定感は高まらないのですね。一瞬の自信は得られても、自己肯定感がないので、その自信はもろいのです。
自分のために ”おしゃれ” をするって楽しい!

自分のためにお洒落をすると自己肯定が上がることは述べてきましたが、自己肯定感が上がると嬉しい変化が起きます。
「他人は他人だから」と、他人の価値観を尊重できるようになったり、他人と比較することがなくなったり、自分のやりたいことを自分にやらせてあげられるようになります。
自分の人生に集中できるようになり、なにごとにも積極的になれます。
なにより、自分のためにお洒落をすることは楽しい。
ファッションで自分を綺麗にしてあげると、自分が幸せな気持ちになりますよね。
不思議なことに、他人軸のファッションをしていたときは、ファッション雑誌を見るのは楽しくても、ファッションのコツを教えてくれるような本は、一切読んでいませんでした。
しかし、自分のためにお洒落をする楽しさに目覚めてから、ファッションのコツを教えてくれるような本を読むようになったのです。
ふつうは逆のように思えますが、自分のためにお洒落をすることの楽しさを知ると、本当の意味でファッションを楽しめるようになるのではないか、そう思ったのです。