東京で和を感じられる場所12選!風情を味わうひととき

記事内に広告を含む場合があります。
旧前田家本邸

心がホッと安らぐような、和の雰囲気に包まれたいときに。庭園や寺院、街並みまで、東京都内には、日本らしい趣を感じられる場所がたくさんあります。ここでは、日常の中で和の風情をじっくりと味わえる、都内のとっておきスポットをご紹介します。

oto

この記事を書いた人:oto

東京を拠点に、明日がちょっと楽しみになるおでかけや日々のヒントを発信。Amazon Kindle総合2位・エッセイ部門1位『わたしをご機嫌にする休日』をはじめ、6冊を出版。Yahoo!ニュース エキスパートでは「おでかけ記事」を執筆中です。JFN系全国28局ネット「レコレール」に出演し、東京の穴場スポット紹介も。

目次

1. 旧前田家本邸(駒場東大前)

旧前田家本邸(駒場東大前)

京王井の頭線「駒場東大前駅」から徒歩約8分の場所にある「旧前田家本邸」。旧加賀藩主前田家16代当主の侯爵前田利為侯の居宅として建設されたもので、昭和初期の貴族の暮らしをうかがい知ることができる貴重な建物として、国の重要文化財に指定されています。

メインは洋館ですが、実は趣ある和館も併設されており、どちらも無料で見学できます。

旧前田家本邸

和館は、かつて外国からの賓客をもてなすために建てられたもの。外観はどこか京都を思わせるような和の風情に満ちています。

ガイドツアーなしで見学できるのは1階部分のみですが、見応えは十分。

旧前田家本邸(駒場東大前)

約40畳の大広間には洋風の照明が設えられており、和と洋が調和した独特の美しさが感じられます。

庭園に下りることはできませんが、窓辺からは手入れの行き届いた池泉庭園を望むことができ、穏やかな時間が静かに流れます。

旧前田家本邸
東京都目黒区駒場4-3-55
公式サイト

2. 浜離宮恩賜庭園(汐留)

浜離宮恩賜庭園「中島の御茶屋」
浜離宮恩賜庭園「中島の御茶屋」

汐留駅から徒歩約5分という都心の一角に、徳川将軍家が所有していた江戸時代を代表する大名庭園「浜離宮恩賜庭園」があります。面積はおよそ25ヘクタール、東京ドーム5個分以上もの広さを誇る壮大な日本庭園です。

その広い園内で、ひときわ和の趣を感じられるのが「中島の御茶屋」です。

浜離宮恩賜庭園「中島の御茶屋」

「中島の御茶屋」は、園内中央の「潮入の池」に建てられた茶屋で、都内では唯一、海水を引き入れた池の上に佇んでいます。潮の満ち引きによって景色が移ろい、訪れるたびに異なる表情を楽しめます。

御茶屋では、四季折々の美しい庭園を眺めながら、お抹茶と季節の生菓子を味わうことができ、都会の喧騒を忘れる穏やかなひとときを過ごせます。

あわせて読みたい
浜離宮恩賜庭園「中島の御茶屋」で風流なお抹茶じかん 大人の休日散歩におすすめしたい「浜離宮恩賜庭園」。東京ドーム5個分という大きな庭園内には「中島の御茶屋」があり、池のある風景を眺めながらお抹茶と上生菓子で時間を過ごすことができます。

浜離宮恩賜庭園
東京都中央区浜離宮庭園1-1
公式サイト

3. 肥後細川庭園&松聲閣(江戸川橋)

肥後細川庭園

肥後細川庭園が広がるのは、かつて熊本藩主・細川家の下屋敷があった場所です。「肥後」とは現在の熊本県にあたる旧国名。武家の品格を今に伝える、趣深い日本庭園です。

こんなに美しい庭園を無料で見学できるなんて——と思わず驚いてしまうほど、趣を感じる景色が広がります。

肥後細川庭園
右に写っているのが松聲閣

園内に建つ「松聲閣(しょうせいかく)」は、明治20年頃に、細川家の学問所として建てられた由緒ある建物です。

肥後細川庭園の休憩室「椿」

2階は展望所として開放されており、庭園を一望することができます。1階の休憩室「椿」では、庭を眺めながらお抹茶をいただけます。冷たいお抹茶とあたたかいお抹茶があり、あたたかいお抹茶にはお菓子が添えられています。

静かな時間の中で、ゆったりと“和のひととき”を楽しめます。

肥後細川庭園
東京都文京区目白台1-1-22
公式サイト

4. 黒茶屋(武蔵五日市)

黒茶屋

300年前に建てられた古民家が並ぶ「黒茶屋」は、JR五日市線「武蔵五日市駅」から約2kmの場所にあります。徒歩では25〜30分ほどですが、駅前からバスも運行しており、敷地内には約50台分の駐車場を完備。都心から離れた山里の風景の中に、どこか懐かしさを感じる時間が流れています。

黒茶屋

山里料理を味わえるレストランのほか、敷地内には甘味処「茶房 糸屋」やおみやげ処「水車」などいくつかの施設があり、のんびりと散策を楽しむことができます。

なかでも「おやき屋 竹庵」のおやきは黒茶屋の名物。あずきと、ねぎみその2種類を提供しています。

黒茶屋

敷地内には、秋川渓谷を見渡せる屋外テラスもあり、豊かな自然の中でゆったりとした時間を過ごせます。木々のざわめきや川のせせらぎに耳を傾けながら過ごすひとときは、日常の慌ただしさを忘れさせてくれる特別な時間です。

黒茶屋
東京都あきる野市小中野167
公式サイト

5. ホテルニューオータニ日本庭園(赤坂見附)

ホテルニューオータニ・日本庭園
庭園の背後にあるのは「ガーデンタワー」

東京メトロ「赤坂見附駅」から徒歩3分の場所にあるラグジュアリーホテル「ホテルニューオータニ」。その敷地内には、約1万坪(東京ドームの約3分の2)もの広さを誇る日本庭園があり、宿泊者でなくても無料で散策を楽しむことができます。

ホテルニューオータニ日本庭園

庭園は、池を中心に歩いて巡ることができる池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)。鯉が泳ぐ清泉池には真っ赤な太鼓橋が架けられ、訪れる人々の人気の撮影スポットとなっています。

ホテルニューオータニ日本庭園

さらに、高さ約6メートルの大滝も見どころのひとつ。高低差を生かしたダイナミックな滝は、夜にはライトアップされ、幻想的な雰囲気を演出します。春には梅、秋には紅葉も美しく、四季折々の表情を楽しめます。

庭園散歩とあわせて利用したいのが、ガーデンタワー6階にある「ガーデンラウンジ」です。大きな窓から日本庭園を一望できる開放的な空間で、赤を基調としたインテリアと豪華なシャンデリアが、非日常の優雅さを感じさせます。

アフタヌーンティーを楽しみながら過ごすひとときは、都会の喧騒を忘れさせてくれる至福の時間です。

ホテルニューオータニ・日本庭園
東京都千代田区紀尾井町4-1
公式サイト

6. 春花園BONSAI美術館(瑞江)

春花園BONSAI美術館

江戸川区の静かな住宅街に広がる「春花園BONSAI美術館」は、来館者の8〜9割を外国人が占め、日本人が訪れるほうが珍しいというスポットです。

内閣総理大臣賞を4回受賞した盆栽作家・小林國雄氏が、2002年に私財を投じて開館しました。

敷地内には、“夢のかけはし”と名付けられた真っ赤な橋が架かる池があり、優雅に泳ぐ錦鯉の姿が訪れる人を迎えます。和の風情に満ちたこの空間は、海外からの旅行者にとってまさに日本文化の象徴のような場所かもしれません。

春花園BONSAI美術館

しかし見どころはやはり、圧巻の盆栽コレクション。園内には所せましと盆栽が並び、その中には1億円を超えるものや数千万円の作品もあります。そう、こちらは盆栽を展示販売しており、購入することもできます。

1億円の盆栽を買う人がいるのだろうか…と思っていたら、日本人は買わないけど外国人に買う人がいるとのこと。船で運ぶのだそうです。

春花園BONSAI美術館

園内には数寄屋造りの家屋もあり、畳敷きの部屋から庭園を眺めることができます。四季の移ろいを感じながら、しばし時間を忘れて過ごせる穏やかな空間です。

春花園BONSAI美術館
東京都江戸川区新堀1-29-16
公式サイト

7. 堀之内妙法寺(新高円寺)

堀之内妙法寺

堀之内妙法寺は、ガイドブックで大きく取り上げられるような観光名所ではありませんが、和の風情にあふれたとても美しいお寺です。

訪れた人の多くが「こんな場所に、こんな趣のあるお寺があったなんて」と驚くほど、静かで落ち着いた佇まいを見せています。

境内を歩くと、どこからともなくお香の香りが漂い、心がふっと和らぎます。

堀之内妙法寺
本堂

山門をくぐると正面に現れるのは、本堂ではなく「祖師堂」。日蓮宗の祖・日蓮聖人を祀り、「やくよけのおそっさま」として信仰を集めています。

祖師堂と本堂などの建物は回廊でつながれており、全体が一体となった美しい構成になっています。

堀之内妙法寺

山門(仁王門)とは反対側にある裏門には灯籠がずらりと並び、厳かな雰囲気を漂わせています。初夏には、その灯籠が並ぶ道沿いにあじさいが咲き、その季節だけの情緒ある光景をつくり出します。

堀之内妙法寺
東京都杉並区堀ノ内3-48-8
公式サイト

8. 九品仏浄真寺(九品仏)

九品仏浄真寺

ハイソでありながら親しみやすい街「自由が丘」から歩いて行ける場所に、和の趣を感じる美しいお寺があります。その名も「九品仏浄真寺(くほんぶつじょうしんじ)」。

東京ドーム約2.5個分もの広さを誇り、本堂と向かい合うように三仏堂(上・中・下品堂)が並びます。三仏堂には、九品仏の名の由来となった9体の阿弥陀仏が安置されており、整然とした伽藍配置が見どころです。

九品仏浄真寺の山門

青もみじに包まれるように堂々と佇む山門も見どころのひとつです。秋には真っ赤な紅葉に染まり、東京23区にいることを忘れてしまうほど、趣のあるひとときを過ごせます。

九品仏浄真寺の枯山水庭園

境内には波紋を描く砂紋が美しい枯山水庭園もあり、本堂から静かに眺める時間は格別。とくに新緑や紅葉の季節は一層の美しさを見せ、まるで京都を旅しているような気分を味わえます。

九品仏浄真寺
住所:東京都世田谷区奥沢7-41-3
公式サイト

9. 烏山寺町(千歳烏山)

烏山寺町

世田谷区北烏山2丁目から6丁目にかけて広がる「烏山寺町」は、寺町通りを中心に26の寺院が立ち並ぶエリアです。静かな住宅街の中に漂うしっとりとした雰囲気は、「東京23区の小京都」とも呼ばれています。

この地に寺院が集まったのは、1923年(大正12年)の関東大震災がきっかけ。被災した寺院がこの地へ移転し、昭和10年代に現在の形が整いました。

寺町の北端にある「高源院」には、弁天池と朱色の橋があり、緑に包まれた風情ある景色が広がります。

烏山寺町

烏山寺町にもっとも早く移転した「妙壽寺」は、見どころが多いお寺です。なかでも注目は「鍋島客殿」。旧肥前国蓮池藩鍋島家の邸宅を1927年(昭和2年)に移築したもので、木造2階建ての堂々とした佇まいが、往時の格式を今に伝えています。

烏山寺町

高源院や妙壽寺から少し離れた場所にある「玄照寺」も、美しい佇まいを見せる寺院です。石柱門の上に狛犬が鎮座しているのが特徴的で、門をくぐると庭園のように整えられた境内へと続きます。

烏山寺町
東京都世田谷区北烏山2丁目〜6丁目
公式サイト

10. 大田黒公園(荻窪)

大田黒公園(荻窪)

荻窪駅から徒歩約10分の場所にある「大田黒公園」は、日本を代表する音楽評論家・大田黒元雄氏の屋敷跡につくられた日本庭園です。四季折々の自然と和の趣を感じられる静かな空間として親しまれています。

まず正門から入ってまっすぐに伸びるイチョウ並木!

白い御影石の道に沿って整然と並ぶイチョウの木々が美しく、黄金色に染まる秋には息をのむほどの景観に。奥に見える「庭門」も趣があり、まるで絵画のような風景をつくり出しています。

大田黒公園

大田黒公園は、池を中心に園内をぐるりと歩いて楽しめる池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)です。池のほとりにはあずま屋が設けられ、どの角度から見ても絵になる風景が広がります。

秋には紅葉のライトアップが行われ、多くの人でにぎわいますが、春から夏にかけては青もみじが美しく、静かな時間の中で爽やかな季節の彩りを楽しめます。

大田黒公園
杉並区荻窪3-33-12
公式サイト

11. 深大寺周辺(調布市)

深大寺参道

古くから厄除けで知られるお寺「深大寺」。お寺自体も見ごたえがありますが、和の風情たっぷりの参道は、東京にいながらどこか遠くの町を旅しているような気分で散策を楽しめます。

石畳の参道沿いには、名物のそば店をはじめ、手づくりのまんじゅうや甘味を扱う店が軒を連ね、湯気や香ばしい香りに誘われながら歩く時間も魅力のひとつです。

神代植物公園の「深大寺門」近くのお蕎麦屋さん(玉乃屋と松葉茶屋)
神代植物公園の「深大寺門」近くのお蕎麦屋さん(玉乃屋と松葉茶屋)

神代植物公園の深大寺門近くにも、趣のあるそば店が並んでいます。参道沿いに比べると人が少なく、落ち着いた雰囲気の中でゆっくりと食事を楽しめるのが嬉しいところです。

深大寺温泉 湯守の里

参道から少し離れた場所には、天然温泉施設「深大寺温泉 湯守の里」があります。和の趣を感じられる日帰り温泉で、静かな時間を過ごしたいときにぴったりです。

地下1,500メートルから湧き出る源泉を一切加水せずに使用しており、黒褐色のお湯が特徴。緑を感じられる露天風呂もあります。

深大寺
東京都調布市深大寺元町5-15-1
公式サイト

12. 神楽坂

神楽坂

東京で和の風情を感じる街並みといえば「神楽坂」。賑やかなメイン通りも歩くのが楽しいですが、より和の雰囲気を味わいたいなら、ぜひ路地を散策してみてください。

数ある路地のなかでも有名なのは、花街だった頃の名残を感じさせる「かくれんぼ横丁」と、老舗の料亭が軒をとつらねる「兵庫横丁」。兵庫横丁は通りの美しさから、新宿区まちなみ景観賞も受賞しています。

赤城神社

神楽坂を代表するスポットとして知られるのが「赤城神社」です。建築家・隈研吾氏が手がけたガラス張りの社殿が印象的で、伝統とモダンが融合した空間です。パスタやスイーツがいただけるカフェもあり、休日のおでかけにもぴったりです。

よかったらシェアしてね!

電子書籍『わたしをご機嫌にする休日』

わたしをご機嫌にする休日


2026年3月31日まで、Prime Readingに登録!Amazonプライム会員の方も”無料”で読めます。

2024年1月、はじめての電子書籍『わたしをご機嫌にする休日〜ひとりの休日が好きになる39の過ごし方〜』を出版しました。

Kindle Unlimited会員なら0円で読めるので、お手にとっていただけますと幸いです。

目次