目黒駅から歩いて3〜5分ほどの場所にある「ホテル雅叙園東京」。ミュージアムホテルと銘打つとおり、東京都指定有形文化財「百段階段」の見学が大きな見所となっています。
ホテル自体が和の趣を大切にしており美しく、非日常的な空間ですので、ぜひ「百段階段」の見学とあわせて館内や庭園の見学、さらにはランチやティータイムも楽しんでみてください。
筆者は、人気のカフェラウンジ「パンドラ」でのカフェタイムも楽しみたかったので、ざっくりと以下のようなスケジュールで楽しみました。
11:40〜 Cafe&Bar「結庵」でワンプレートランチ
12:20〜 カフェラウンジ「パンドラ」でカフェタイム
14:00〜 東京都指定有形文化財「百段階段」を見学
当初は「百段階段」を見学した後にゆっくりとカフェタイムを過ごそうと思っていたのですが、カフェラウンジ「パンドラ」の前を通りかかったら庭園近くの席が空いていました。
せっかくなら庭園すぐそばの席でカフェタイムを楽しもうと、予定を変更して先にカフェラウンジ「パンドラ」で過ごすことにしたのです。
この記事では、百段階段を中心に雅叙園の魅力をたっぷりとお伝えしていきます。
雅叙園は庭園と館内の見学だけなら無料
雅叙園は和の趣を感じさせる優美な内装で、一歩足を踏み入れた瞬間から別世界を訪れたよう。正面玄関から入り、カフェラウンジ「パンドラ」がある方へ向かう道中、まるで竜宮城のようで心が躍ります。
レストランの利用や、百段階段の見学をしなくてもホテル内には入ることができるので、無料で館内の見学ができます。
宴会場などがある棟は天井が吹き抜けで高く開放的。見下ろす景色にも風情を感じます。
カフェラウンジ「パンドラ」から見える庭園には涼やかな滝が流れ、池には鯉が泳いでいます。
嬉しことに、一般のお客さんも無料で庭園の見学ができます。
こちらの庭園で、着物姿で写真を撮っている女性を何名かみかけました。たしかに絵になりますね。
趣のある木製の橋から池をみると、綺麗な鯉が泳いでいます。
そして、このまま歩いていくと階段があり、階段をのぼり緑のなかを進むと…なんと、滝の裏側を見ることができるんです!
暑い季節ならちょっとした避暑スポットですね。
庭園や館内の見学だけでも服装はちゃんとしたほうがいい?
雅叙園の館内や庭園だけの見学だけでも、これだけ優美な空間にふつうの服装で訪れていいのか迷いますよね。
実際には、デニムとスニーカーというラフな服装の方も、ちらほら見かけました。また、目黒雅叙園内にはオフィス棟があり、そこで働いていると思われる会社員の方(入館証のようなものを首からぶらさげていた)も、この優美な空間のなかを歩いていました。
しかし筆者個人的には、せっかく雅叙園を訪れるのであれば、いつもよりお洒落をして出かけたほうが気分も盛りあがると感じます。
百段階段を見学しよう!所要時間は1時間前後
東京都指定有形文化財「百段階段」とは通称であり、ホテル雅叙園の前身である「目黒雅叙園3号館」のことを指します。
階段だけを見学できるわけではなく、付随する部屋も見学できます。
企画展のイベント時には、各部屋に作品が展示してあるなど趣向をこらした空間を楽しむことができます。
百段階段のエレベーターからすごかった!
場所は正面玄関を入ってすぐ左手に受付があり、チケットをみせます。そこからエレベーターで、百段階段の入口である3階にのぼるのですが…エレベーター自体がすでに豪華絢爛。
螺鈿細工(らでんざいく)が施されている扉が開くと、内部にもやはり螺鈿細工が施されています。
油圧式のエレベーターはとてもゆっくりと上がり(3階上がるのに30秒というスロースピード)、それもまたタイムスリップへの序章のようでワクワクします。
百段階段はじつは99段だった
いよいよ百段階段のはじまりです。くつを脱いで見学するスタイルで、くつを入れるポリ袋も用意されています。
目の前にドドンと現れる百段階段の威圧感に圧倒されながら、一段一段とのぼっていきます。
途中各部屋で展示を堪能しながら最上階までのぼるワケですが、最初に書いておきますと、百段階段は実際には99段です。
なぜ99段なのかについては、以下の2つの説があるようです。
【1】機数は陽数で縁起のいい数だから
むかしから奇数は縁起がよいとされ、日本の五節句も、1月7日「人目の節句」、3月3日「桃の節句」、5月5日「端午の節句」、7月7日「七夕」、9月9日「重陽(ちょうよう)の節句」です。縁起のいい奇数のなかでこれ以上、上はない99段にしたという説。
【2】未完の美学。完璧な数字より発展性のある数字に
100という完璧な数字ではなく、まだ良くなる余地をのこした99段にしたという説
部屋の個性を活かしながら展示を行う
階段にそって7つの部屋があり、企画展の際にはそれぞれの部屋で展示が行われています。
筆者が訪れたのは2023年3月25日~6月11日開催の『大正ロマン×百段階段』。優れた文学作品が多く生まれた時代に焦点をあて、文豪の名作に、現代のイラストレーターがイラストを添えるなどの展示がされています。
階段をのぼるごとに、「つぎはどんな世界が待っているんだろう」とワクワクする企画展でした。
ここからは、写真とともに各部屋の様子をご紹介していきます。企画展時の写真のため、通常の部屋とは様子が異なっていますがご了承ください。
上の写真は「十畝(じっぽ)の間」。天井には日本画家・荒木十畝による花鳥画が描かれており、画家の名前が部屋名の由来となっています。
幾何学模様の障子は、現代的なモダンさを感じますね。
上の写真は、7つの部屋のなかで最も豪華絢爛な「漁樵の間」。企画展ではとくべつ妖艶な雰囲気を醸しだした空間になっていました。
部屋の中はすべて純金箔、純金泥、純金砂子で仕上げられているそう。柱にも極彩色の彫刻が施されています。
中国の古いおはなし『漁樵問答』の場面が描かれており、部屋名の由来となっています。
上の写真は「草丘の間」。天井と欄間には、日本画家・礒部草丘(いそべ そうきゅう)の風景画などが描かれており、部屋名の由来になっています。
すべての部屋を紹介しきれていませんが、上の写真は「頂上の間」で、その名のとおり百段階段の頂上にある部屋です。
昭和の竜宮城!百段階段見学の所要時間は1時間前後
昭和の竜宮城とよばれた「百段階段」。歴史を感じさせる建物でありながら、豪華絢爛な部屋の装飾には圧倒されます。
企画展をじっくり見てまわると1時間はかかるでしょう。ささっと見るだけでも30分はかかります。
というより、これほどの非日常的な空間を簡単には離れることができない、という気持ちのほうが強いかもしれません。
筆者も気づけば思っていたより時間が経っていてビックリしました。
ミュージアムショップもあり、レトロなアイテム好きにはたまらないお土産が揃っています。
雅叙園がはじめてなら百段階段&ランチセットがおすすめ
雅叙園で過ごす時間をあますところなく堪能したい!ということであれば、百段階段のチケットとレストランでのお食事がついたランチセットの予約がおすすめです。
筆者は、カフェラウンジ「パンドラ」でのカフェタイムも過ごす予定だったので、もっとも手頃なCafe&Bar「結庵」でのワンプレートランチがついたセットにしましたが、ひとつ注意点としてはCafe&Bar「結庵」の場所。アルコスクエア内にあり、本来の雅叙園らしさとは違いカジュアルです。
\ 百段階段&ランチプランも /
雅叙園の雰囲気を楽しみたいなら「KANADE TERRACE(カナデテラス)」のランチがいいでしょう。カフェラウンジ「パンドラ」が向かいにあり、雅叙園らしい場所でのランチタイムが過ごせます。
OZmallでは、百段階段の入場券付「KANADE TERRACE」でのランチが予約できますので、ぜひ見てみてくださいね。
\ 百段階段&ランチプランも /
雅叙園で人気のカフェラウンジ「パンドラ」
筆者が雅叙園を訪れてどうしても行きたかったのが、カフェラウンジ「パンドラ」です。大きな窓からは滝がながれ、鯉がおよぐ庭園を眺めることができ、吹き抜けの開放的な天井からは明るい日差しが注ぎこみます。
コーヒーとケーキのセットで2,000円いかないので、思ったより気軽に利用できます(コーヒーはお代わりできます)。
優雅な雰囲気が味わえる空間や、お店の方の心地のいいサービスを考えると決して高くありません。
カフェラウンジ「パンドラ」については、また別の記事でご紹介しようと思います。
雅叙園
住所:東京都目黒区下目黒1-8-1
アクセス:JR山手線、東急目黒線、東京メトロ南北線・三田線「目黒駅」より徒歩3〜5分
https://www.hotelgajoen-tokyo.com/