五反田駅から歩いて7分ほどの場所にある「薬師寺東京別院」。こちらでは毎日写経を開催しており、気軽に写経体験ができます。休日に時間のある方は、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか?この記事では写経体験の流れや感想をご紹介しています。
NHKで取り上げられた薬師寺東京別院の写経
2022年6月にNHKの番組『ドキュメント72時間』で、薬師寺東京別院の写経に訪れる人々の様子が放送されました。
反響はとても大きかったようで、放送後には待ち時間が発生するほど、大勢の人が写経体験に訪れたのだそう。
これは薬師寺東京別院に限った話ではなく、各地で写経をする方が増えたという話も。
筆者もこの番組を観ましたが、番組内では仕事のストレスからの解放を求めて写経をはじめ、10年以上通っている方などが紹介されていました。
薬師寺東京別院では毎日写経体験ができる
五反田駅から歩いて7分ほどの住宅街にある「薬師寺東京別院」では、毎日9時〜17時まで写経体験ができます。
(月に2回、夜も写経できる日があります。その日は準備のため一度17時に閉め、18時からまた写経を開催します。日中はなかなか時間がとれなかったり、休日の夜の時間を有効に使いたい場合、夜の静けさのなか写経を行いたい場合などは、公式サイトで日程をチェックしてくださいね。)
薬師寺東京別院は、奈良県にある「法相宗大本山薬師寺」の別院。天武天皇が皇后の病気平癒を祈願して建立したお寺です。
写経に必要な料金は以下のとおりです。
ご納経料
般若心経(約270文字)・・・ 一巻 2,000円
薬師経(約800文字)・・・一巻 4,000円
唯識三十頌(約650文字)・・・一巻 5,000円
はじめての方は般若心経から行いましょう。たった約270文字ですが、1時間半はかかります。
薬師寺東京別院で写経をすると、薬師寺のお堂で永代にお祀りしていただけます。
薬師寺東京別院でいよいよ写経体験
1. 申し込み用紙に記入
写経体験は薬師寺東京別院の2階で行われます。階段をのぼり2階にあがると「お写経申し込み用紙」を書く場所が用意されており、用紙に名前や住所、生年月日などを記入します。
そして係りの人に申し込み用紙とあわせて、般若心境の場合は2,000円をお納めします。
2. はじめての方は簡単なレクチャーを受ける
ご納経料をお納めしたあと、はじめての方には簡単なレクチャーがあります。
他にもはじめての方がいそうな場合は、一緒に説明を受けるので、ここで何人か揃うまで椅子に少々待つ場合があります。
「あちらで待っていてください」と指示されます。
教えていただいたのは以下のようなこと。
・入ったら象の置物をまたぐ
・袈裟(簡易的なもの)を首にかけて写経をおこなう理由
・袈裟をかけたままトイレに行ってはいけない(途中でトイレへ行く場合は袈裟を机に置く)
・「為」と書かれた下には願い事を書く
・書き終わったら前にあるテーブルに置く
あとは、墨はこのぐらいだとちょういいですよ、などいろいろ細かく教えてくださりました。
3. いよいよ写経道場で写経を開始
レクチャーが終わったら、あとは道場のなかへ入り(象の置物をまたぐことを忘れずに!)、好きな机に座ります。
筆ペンではなく、墨をすり、小筆につけて書きます。
久しぶりの墨をする感覚は、ひと言「あー癒される」。ゆっくりとただ墨をする時間が心地いいと感じました。
そして、お手本を敷いた写経用紙に筆を滑らせていくわけですが・・・。
どのくらいの力加減がいいのか、どのくらいの墨の量、水の量がいいのかコントロールできず、四苦八苦!
しかし続けると、字が綺麗になるんだなというのはよくわかる。
丁寧に書いていくと1時間半は余裕で必要です。
写経用紙の最後に、やはり墨で「為」と書かれた場所に願い事を書き、住所、名前、年齢、今日の日付、何巻目かを書きます。
そして道場の前列にある台に置いて終了となります。
奈良の「薬師寺」から納経したハガキがとどく
写経体験を行なってから数日後、奈良にある薬師寺から「納経」したことをお知らせするハガキが届きます。
写真はハガキの裏面ですが、おもて面には「本日確かに納経いただきました」と書かれ、納経日や通算納経巻数なども記載されています。
薬師寺東京別院で写経体験をした感想
とても綺麗なお寺で、お香の香りや墨の香りに癒されながら、静かに自分と向き合う時間が過ごせました。
「私ってこんなに集中力があるんだ!」とビックリするぐらいの、あっという間の1時間半!
集中する時間って癒しなんだなぁと、あらためて気づきました。そして今に集中することが幸福度を上げることも実感。
これはハマる!
一方で、写経を提出する際に、前の方が書かれた写経がチラリと見えましたが、「こんな綺麗な文字が書けるの?」と、自分の書いたものと比べて少々凹んだりもしました。
写経後に、お寺の方に「どうでしたか?」と声をかけてもらった際に、そのことを話すと「写経を何回もされている方は、筆圧などもわかっていますからね。中には一万回という方もいますよ」と教えてくれました。
とはいえ、「写経をつづけると字が綺麗になるんだろうなぁ」と実感。お手本の美しい文字を、一文字一文字集中して書き写すわけですからね。
考えすぎて脳が疲れる人、ストレスがたまっている人などには、「ただ、今に集中する」写経をする時間をもってみるのもいいでは?と強くおすすめしたいなと感じました。
薬師寺東京別院
住所:東京都品川区東五反田5-15-17
アクセス:JR山手線「五反田駅」東口より徒歩8分
写経詳細:http://www.yakushiji.or.jp/syakyo/index.html