御岳渓谷遊歩道のハイキングを楽しもうと下車したのは、JR青梅線「軍畑駅(いくさばたえき)」。運行本数は1時間に1〜2本。たまに3本という少なさです。
青梅駅での乗り換えで電車を逃すと、そのあと50分後になるのでハラハラしましたが、なんとか無事、電車に乗ることができました。
青梅駅から5駅先、時間にして10分ちょっと乗車して、いよいよ降り立った「軍畑駅」は、噂どおりの秘境駅でした。
単線の無人駅でのどかな東京の秘境駅で下車

ホームに降り立った瞬間、あまりにのどかな景色に、思わず「すご〜い!」と声をあげてしまった私。「すごい」という言葉は本当に便利な言葉です。
東京にもこんな駅があったなんて…と驚くばかりです。
私たちが乗っていた電車は、いわゆるJRの電車という感じです。そりゃそうだ。車体に「東京アドベンチャーライン」と書かれていますが、JR青梅線の青梅駅〜奥多摩駅間の愛称だそう。ちなみにこの区間は4両編成。

駅のホームから眺める景色ものどか。キバナコスモスが咲き、茅葺き屋根のような屋根も見えます。駅は標高250mほどの場所にあるので、見晴らしもいい。

軍畑駅のシンボルマークは「辛垣(からかい)の合戦」。1563年(永禄6年)の戦国時代に、多摩川沿いで起こった北条氏と三田氏の激戦で、駅名の由来にもなっています。
この合戦で命を落とした武士たちの鎧や兜を埋めた場所が、「鎧塚」として「軍畑駅」の近くに残されています。
「高水三山登山口」と書かれているように、登山客も下車する駅です。

ホームの端のほうまで歩いてみました。「御岳渓谷遊歩道」「高水山浪切不動尊」下車駅と書かれています。この日目指すのは「御岳渓谷遊歩道」ですが、「高水山浪切不動尊」も気になります。駅で案内されているくらいだから、この辺りでは有名なのでしょうか。
ところで、この単線の感じが秘境感を深めている気がします。

PASMOをピッとかざして、駅の外に出ました。
軍畑駅の改札をでて御岳渓谷遊歩道入口へ向かう

無人駅にしては、簡素ながらもモダンな駅舎。2003年(平成15年)に改修されたそう。この駅舎のお隣にはきれいなトイレもあります。
タイミングによってはトイレは登山客で混雑するそうですが、私が訪れたときは、誰も利用していませんでした。

駅周辺には御岳渓谷の案内図がありました。なんとなく案内図を確認して、いざ、御岳渓谷遊歩道入口へ向かいます。

「こっちでいいんだよね?」と、歩き出した私たちの目の前に広がるのは、思わず写真を撮りたくなってしまう、いい意味で田舎感あふれる景色です。映画のワンシーンのよう。

さびた感じが味があって風情がある「火の見櫓」もありました。この「火の見櫓」はデザインが凝っていて可愛い。

ずっとゆるやかな下り坂がつづきます。これをのぼって駅に向かう人は大変だろうなぁ…。それにしても、いつまでも、目の前には癒される景色が広がり、この景色が見られただけで「来てよかった」と思いました。

坂道を下りきると、青梅街道沿いに「御岳渓谷遊歩道入口」と書かれた案内板を発見!ここから470mあることに驚きながらも、道なりに進んでいくと、左手に渓谷へと降りていく階段がありました。
次回へつづく。