東京にある、無料で見学できる建物や博物館、庭園などのうち、とくに見ごたえがあり、観光やお出かけスポットとしてもおすすめしたい場所を厳選してご紹介しています。
1. 無料でこれだけの規模の洋館が見られるなんて!旧前田家本邸(駒場東大前)
旧前田家本邸は、旧加賀藩主前田家16代当主、前田利為(まえだとしなり)侯の居宅として建設されたものです。
前田利為は再婚した菊子夫人との間に、一男三女をもうけました。家族6人にたいして、なんと使用人が130人以上いたと言います。
東京にある洋館の中でも、無料でこれだけの豪華な洋館を見学できるのは、おそらく「旧前田家本邸」だけではないでしょうか。
重々しいドアを開けると広がる、あまりに広い玄関・階段広間にびっくり。「えっ、ここが無料で見学できるの!?」と疑ったほどです。
旧前田家本邸は部屋数も多く、1階はお客様をおもてなしするための部屋(大広間や、晩餐会を行う大食堂など)。2階には家族のための部屋があります。
なかでも華麗でうっとりするのが、菊子夫人の部屋。絨毯も壁も紫色に統一されており、家族があつまるリビングとしての役割も果たしていたそうです。
旧前田家本邸には和館もあり、どこか京都でも訪れたような雰囲気です。ガイドツアーの時以外は、1階のみ見学可能。
約40畳ある大広間からは、池泉庭園を眺めることができます。ぼんやりと庭園を眺めながら憩いのひとときを過ごすのも心地のいい時間です。
旧前田家本邸
住所:東京都目黒区駒場4-3-55
アクセス:京王井の頭線「駒場東大前駅」より徒歩8分
https://www.city.meguro.tokyo.jp/kuminnokoe/bunkasports/rekishibunkazai/kyumaeda.html
2. 旧講堂が写真映え!旧公衆衛生院(白金台)
白金台駅から徒歩1分ほどの場所に、これだけ巨大で存在感のある名建築があることに驚きます。
建築家・内田祥三(うちだよしかず)氏により1938年(昭和13年)に建てられたもので、現在は「港区立郷土歴史館」を中心とする複合施設「ゆかしの杜」となっています。
館内には無料で見学できるエリアがあり、見ごたえたっぷり!中でも写真映えするとして人気の場所が「旧講堂」です。
歴史を感じるレトロな空間に、ズラリと340席が並ぶ光景がフォトジェニック。窓から見える景色も美しいですよ。
これだけ雰囲気のある建物なので、数々のドラマのロケ地にもなっています。
伊藤沙莉さん主演の『シッコウ!!~犬と私と執行官~』では「東京地方裁判所南目黒支部」として。浜辺美波さん出演の『ウチの娘は彼氏ができない』では、「青学院大学」として使用されています。
そのほかにも『同期のサクラ』や『映像研には手を出すな!』など数々のドラマのロケ地となっています。
旧公衆衛生院にはカフェもあります。旧公衆衛生院のすぐ近くにある「八芳園」がプロデュースしており、「VEGETABLE LIFE(ベジタブルライフ)」という店名のとおり、野菜にこだわるヘルシーな食事がいただけます。
旧公衆衛生院
住所:東京都港区白金台4-6-2
アクセス:東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線「白金台駅」2番出口より徒歩1分
https://www.city.minato.tokyo.jp/shisetsu/fukugo/fukugo/04.html
3. リバービューのカフェも!クロネコヤマトミュージアム(品川)
クロネコヤマトミュージアムは、大人にとっても見応えのある博物館です。
受付から見学スタートまでは係の方の案内がありますが、そのあとは自由見学。6階からスロープを下っていく形の見学になります。
写真撮影できる場所は3カ所のみと決められており、上の写真はそのひとつ「宅急便体験コーナー」です。こちらは子供づれに人気の見学場所となっていました。
そのほかは基本的には子供より大人にとって面白い博物館です。私たちにとって身近なクロネコヤマトの歴史を紹介しており、さまざまな時代の流れを経て、試行錯誤をしながら今があるのだと感じさせられます。
2019年にオープンしたとあってとても綺麗な施設ですが、2階にはカフェがあります。運河沿いにあることから、リバービューを楽しめる穴場カフェ!
クロネコのラテアートが楽しめるドリンクや、クロネコが描かれたどら焼きがいただけます。どら焼きは人気のため売り切れになることもあるので、早めに行くのがおすすめです。
クロネコヤマトミュージアム
住所:東京都港区港南2-13-26
アクセス:JR線・京急線「品川駅」港南口(東口)より徒歩10分/東京モノレール・りんかい線「天王洲アイル駅」より徒歩15分
https://www.yamato-hd.co.jp/museum/
4. 時計好きにはたまらない!セイコーミュージアム(銀座)
銀座の並木通り沿いにある「セイコーミュージアム銀座」は、時計好きはもちろん、そうでない方も、時間があれば見ておいて損はない博物館です。なにせ、見学が無料ですから!
受付で「予約してますか?」と聞かれますが、予約をしていなくても名前を書いて入館できます。
B1F〜5Fまで、1つのフロアは広くはありませんが、日時計からはじまる時の歴史や、セイコーの歴史。セイコー創業者である服部金太郎の足跡、そしてアスリートの記録を刻むセイコーの技術などを紹介しており、私たちの日常に欠かせない時計について興味深い展示を見ることができます。
1964年に開催された東京オリンピックにて、セイコーが公式時計として採用されました。高精度の計測が求められるオリンピックにおいて、世界を驚かせたセイコーの技術。一気に、世界へセイコーの名を広めることとなりました。
WIFIにつなぐこともでき音声ガイドも利用可能。エレベーターが1基しかないため、待つ時間が発生する場合もあります。余裕をもって訪れたいですね。
セイコーミュージアム銀座
住所:東京都中央区銀座4丁目3-13 セイコー並木通りビル
アクセス:東京メトロ「銀座駅」B2・B4出口より徒歩1分/東京メトロ・都営地下鉄「日比谷駅」A0出口より徒歩2分/東京メトロ「有楽町駅」D8出口より徒歩2分/JR「有楽町駅」中央口・銀座口より徒歩4分
https://museum.seiko.co.jp/
5. 無料で202mからの景色!東京都庁展望室(新宿)
新宿駅の西口から歩いて10分ほどの場所にある「東京都庁」。第一本庁舎の45階には展望室があり、誰でも無料で入場できます。
45階まではエレベーターで55秒。とくに土日はエレベーター待ちの列ができており、係の方がテキパキと誘導してくれます。エレベーターに乗る前には手荷物検査もあるので、大きい荷物は持っていかな方がいいかもしれません。
展望室はとても広々としており、2019年のリニューアルにしたということで、洗練された展望デッキもあります。
東京には無料の展望台がいくつかありますが、東京都庁の展望室はその中でも群をぬいて規模が大きいと感じます。展望室にはお土産屋さんとカフェスペースもあり、土日でも意外にテーブル席は空いていました。
景色も申し分なく、新宿御苑と明治神宮の杜を同時におさめることができるほか、遠くスカイツリーや、気候条件によっては富士山も眺めることができます。
東京都庁展望室
住所:東京都新宿区西新宿2-8-1
アクセス:JR「新宿駅」西口より徒歩10分/都営大江戸線「都庁前駅」すぐ
https://www.yokoso.metro.tokyo.lg.jp/tenbou/
6. スカイツリーが綺麗に見える!文京シビックセンター展望台ラウンジ(後楽園)
東京ドームや小石川後楽園近くにある「文京シビックセンター」は、区役所や区民の施設、ホールなどがある施設。25階が展望ラウンジとなっており、誰でも無料で入場可能です。
25階の展望ラウンジは高さ105m。フロアの東、西、北側が展望ラウンジで、目に飛び込んでくるのは、遠くに新宿副都心などを見渡す景色。個性的な東京都庁の姿も見ることができます。
特出すべきは、スカイツリーがとても綺麗に見えること!「文京シビックセンター」から直線距離にして約5kmの場所にあるスカイツリーが、こんなにハッキリ見えることに驚きます。
展望ラウンジはそれほど混雑せず楽しめ、椅子はないもののテーブルもあります。ドリンクをのみながら爽快な景色を眺める時間を過ごされてはいかがでしょうか。
文京シビックセンター展望台ラウンジ
住所:東京都文京区春日1-16-21
アクセス:東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」より徒歩1分/都営三田線・大江戸線「春日駅」より徒歩1分/JR総武線「水道橋駅」より徒歩9分
https://www.city.bunkyo.lg.jp/b014/p003985.html
7. 非日常が味わえる!ホテルニューオータニ・日本庭園(赤坂見附)
東京には無料で見学できる庭園がいくつかありますが、ホテルニューオータニの日本庭園は、老舗ホテルという非日常の空間も楽しめるのが魅力です。
場所は東京メトロ「赤坂見附駅」から徒歩3分。都会のど真ん中に、これだけの規模の滝を擁する日本庭園があるなんて、驚きですよね。
宿泊者でなくても無料で見学ができます。
ホテルニューオータニの日本庭園のメインとなるのが、高さ6mの大滝です。高低差がある場所だからこそ可能で、夜にはライトアップを実施。
そして人気の記念撮影スポットが朱色の太鼓橋です。そのほかにも園内には枯山水庭園など美しい風景を楽しむことができ、また、ホテルの敷地内とは思えないほど緑豊かです。
ホテルニューオータニ・日本庭園
住所:東京都千代田区紀尾井町4-1
アクセス:東京メトロ銀座線・丸ノ内線「赤坂見附駅」D紀尾井町口より徒歩3分/東京メトロ半蔵門線・南北線「永田町駅」7番口より徒歩3分/東京メトロ「有楽町線」2番口より徒歩6分/JR 中央線・総武線ほか「四ツ谷駅 」麹町口・赤坂口より徒歩8分
https://www.newotani.co.jp/tokyo/garden/
8. こんな美しい日本庭園が無料だなんて!肥後細川庭園(江戸川橋)
肥後細川庭園があるのは、熊本藩主・細川家の下屋敷だった場所。お隣に名門ホテル「椿山荘」があり、ここら辺一帯は京都のような雰囲気も醸し出しています。
園内を散策していると「こんなに美しい日本庭園を無料で見学できるなんて嬉しい!」と思わず心のなかで叫んでしまいます。
肥後細川庭園には、明治20年頃に細川家の学問所として建てられた「松聲閣(しょうせいかく)」という建物があります。
2階は展望所にもなっており、園内を一望。そして1階にある休憩室「椿」では、庭園を眺めながらお抹茶をいただくことができます。
緑豊かな庭園を眺めながら、お抹茶で一息ついてみてはいかがでしょうか。もちろんお抹茶は有料ですが。
肥後細川庭園
住所:東京都文京区目白台1-1-22
アクセス:東京メトロ有楽町線「江戸川橋駅」・東京メトロ東西線「早稲田駅」より徒歩15分
開園時間:午前9時〜午後5時(2月〜10月まで)/午前9時〜午後4時30分まで(11月〜1月まで)※それぞれ入園は閉園の30分前まで
休園日:12月28日〜1月4日
https://www.higo-hosokawa.jp/
9. 異国情緒たっぷりの時間が!東京ジャーミイ(代々木上原)
異国情緒あふれるモスク「東京ジャーミイ」が代々木上原にあります。日本にあるモスクのなかでも最大で、個人の見学なら予約なしで、無料にて見学ができます。
煌びやかな装飾がされた礼拝堂に足を踏み入れると、心は途端にトルコへタイムスリップ!拝堂の上部は女性専用なのでご注意ください。
そのほか注意点としては露出の少ない服装で訪れること、礼拝堂にはいる際にはスカーフで髪も覆う必要があるのでスカーフを持参することです(スカーフは借りることもできます)。
イスラム建築をぞんぶんに堪能でき、カフェで飲食もできる「東京ジャーミィ」はぜひ一度は足を運んでみたい場所です。
東京ジャーミイ
住所:東京都渋谷区大山町1-19
アクセス:小田急線・東京メトロ千代田線「代々木上原駅」より徒歩5分
https://tokyocamii.org/ja/
10. レトロな喫茶店もある!慶應義塾図書館旧館(三田・田町)
慶應義塾図書館旧館があるのは、慶應義塾大学の三田キャンパス内。大学の中にあり、つかの間の大学生気分を味わえるスポットでもあります。
警備の方が立っていますが、学生以外でもキャンパス内に入ることができます。
慶應義塾図書館旧館は、1912年(明治45年)4月に、慶應義塾創立50年を記念して建てられました。1969年(昭和44年)には国の重要文化財に指定。
書庫として利用されているほか、重要文化財である建物内を一部見学できるだけでなく、無料で入館できる「福澤諭吉記念 慶應義塾史展示館」があります。
展示館内の写真は、個人で楽しむためならOKということで、写真は記事に載せられませんが、無料にもかかわらず見ごたえたっぷり。
一万円札に描かれており、慶應義塾大学の創立者である福沢諭吉について、深く知ることができます。
展示館があるのはもともと大閲覧室だった場所です。興味深い展示だけでなく、天井が高く広々とした歴史ある空間もあわせて楽しむことができます。
慶應義塾図書館旧館にはカフェもあります。喫茶店のような食事や、インスタ映えするドリンクもあるので、ぜひ合わせて訪れてみてくださいね。
慶應義塾図書館旧館(福澤諭吉記念 慶應義塾史展示館)
住所:東京都港区三田2−15−45 慶應義塾三田キャンパス内
アクセス:JR「田町駅」より徒歩8分/都営地下鉄「三田駅」より徒歩7分、「赤羽橋駅」より徒歩8分
https://history.keio.ac.jp/
11. ビル・ゲイツも訪れた!目黒寄生虫館(目黒)
目黒駅から徒歩12分ほどの場所にある「目黒寄生虫館」。寄生虫をテーマにした日本で唯一の博物館で、世界的にみても珍しい博物館です。
マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツが訪れたことで、一躍名前が知られるようになりました。
医師である亀谷了さんが1953年に創設した私立博物館。館内には国内外から集められた約300点の標本や関連資料を展示していますが、なかでも全長8.8mのサナダムシには驚きます。
こんな長いものが体のなかにいたなんて、想像しただけでも鳥肌が立ってしまいますが…ちょっと気持ち悪いのに見たくなる、とても不思議な博物館です。
無料で見学できますが、施設の維持や研究などのために寄付を募っています。
目黒寄生虫館
住所:東京都目黒区下目黒4‐1‐1
アクセス:JR・東京メトロ南北線・都営三田線・東急目黒線「目黒駅」西口より徒歩12分
https://www.kiseichu.org/
12. テレビ好きはワクワク!NHK放送博物館(神谷町・虎ノ門)
テレビが好き!とりわけNHKが好き!という方にはおすすめの「NHK放送博物館」。無料で見学できるので、休日にフラリと訪れて暇をつぶすにも最適です。
朝ドラをはじめとするNHKの歴代ドラマについての展示があり、ファンにはたまりません。こども番組については、世代ごとに「あー!懐かしい!」と心のなかで叫びたくなるでしょう。
ニュースキャスター気分を味わえる体験スタジオもあります。
日本の年末には欠かせない風物詩「紅白歌合戦」やオリンピックに関するものもあり、ふだんNHKをそれほど見ない人でも楽しめます。
レアなグッズが買えるショップもありますよ。
NHK放送博物館
住所:東京都港区愛宕2-1-1
アクセス:東京メトロ日比谷線「神谷町駅」3番出口より徒歩8分/東京メトロ銀座線「虎ノ門駅」1番出口より 徒歩13分/都営三田線「御成門駅」A5出口より徒歩10分
https://www.nhk.or.jp/museum/
13. お金について学べる!貨幣博物館(三越前・日本橋)
キャッシュレス化がどんどん進んでいる今、お金の歴史について学んでみてはいかがでしょうか。東京にある、無料で見学できる博物館のなかでも、とくに、おすすめしたい博物館です。
日本最古の貨幣とされる富本銭や、教科書で見た覚えのある人も多いであろう「和同開珎」にはじまり、金貨や分銅金、明治時代に発行された日本最初の日本銀行券、そして現在の日本銀行券の偽造防止技術についての学びなど、日本のお金についてたっぷりと知ることができます。
1億円の重さを体験できるコーナーなど、好奇心をくすぐる展示もあります。
貨幣博物館
住所:東京都中央区日本橋本石町1-3-1 日本銀行分館内
アクセス:東京メトロ半蔵門線「三越前駅」B1出口より徒歩1分/銀座線「三越前」A5出口より徒歩2分/東西線「日本橋駅」A4出口より徒歩6分 /JR「東京駅」日本橋口より徒歩8分
https://www.imes.boj.or.jp/cm/