東京で、苔むす景色が楽しめる場所をご紹介しています。しっとりとした緑に包まれながら、心落ち着くひとときを過ごせます。
1. 等々力渓谷 日本庭園(等々力)

東京23区唯一の渓谷として知られる「等々力渓谷」。2026年3月下旬に通行が再開されました。その渓谷の南側には起伏のある地形を活かした日本庭園が広がっています。
いくつかある門のうち、谷沢川沿いにある「かぶき門」から入園すると、石段に沿って竹林が続きます。

そのままさらに上がっていくと、高台に書院が建ち、あたりにはビロードのような苔が広がっています。この庭園は、昭和を代表する作庭家・飯田十基によって1973年(昭和48年)に手がけられたもの。「雑木の庭」の提唱者としても知られる飯田氏は、自然の姿をそのまま活かす庭づくりを得意とし、その考え方はこの庭園にも色濃く表れています。

わたしが訪れた際は、書院にはセルフサービスの給茶ディスペンサーも置かれていました。縁側に腰を落ち着けながら、しっとりとした趣のある庭園を眺めて時間を過ごすことができます。
等々力渓谷日本庭園・書院
東京都世田谷区野毛1丁目15-15
2. 高橋是清翁記念公園(青山一丁目)

東京メトロ・都営地下鉄「青山一丁目駅」から徒歩約5分という、都心にある「高橋是清翁記念公園」。日本の金融界を支え、大正から昭和初期にかけて首相や蔵相を務めた政治家・高橋是清(1854〜1936年)の邸宅跡に整備された公園です。昭和11年(1936年)の二・二六事件で、この地で命を落としたという歴史も残されています。
園内の中心に浅い池が広がる池泉回遊式で、水辺には小石を敷き詰めた州浜が広がり、日本庭園らしい景観をつくり出しています。

面積約5,320平方メートルの庭園は、国道246号沿いに広がるとは思えないほど静か。石灯籠や中国風の人物石像があちこちに置かれている光景もどこか不思議で、その足元にはきれいな苔が広がっています。

差し込む光によって苔の色合いに濃淡が生まれています。都心のオフィス街にこのような一角が広がっていることに、少し驚いてしまいます。
高橋是清翁記念公園
東京都港区赤坂7-3-39
公式サイト
3. 成城五丁目猪股庭園(成城学園前)

小田急線「成城学園前駅」から徒歩約5分。住宅街にひっそりと広がる「成城五丁目猪股庭園」は、労務行政研究所初代理事長を務めた猪股猛氏ご夫妻の邸宅として建てられた旧猪股邸と、邸内に広がる日本庭園を無料で見学できます。

庭園には一面にスギゴケが植えられています。一部に水路を配し、まわりに園路をめぐらせた回遊式の日本庭園で、銀閣寺の庭師であった田中泰阿弥(たなかたいあみ)も作庭に携わったそうです。

しっとりとした苔の上に、瓦を埋め込んだ道のような装飾が映えます。
いらないものを削ぎ落とした凛とした佇まいの邸宅と、スギゴケが広がる静かな庭。東京23区でも数少ない、日本の侘び寂びを感じられる場所です。
成城五丁目猪股庭園
東京都世田谷区成城5-12-19
公式サイト
4. 花畑記念庭園(谷塚)

東京都足立区にある「花畑記念庭園」は、足立区の区制50周年を記念して整備された日本庭園で、池のまわりに園路が整備された池泉回遊式です。
昭和57年に建設が始まり、昭和59年に完成。同年9月1日に開園しました。東武スカイツリーライン「谷塚駅」から約1.5キロの場所にあり、徒歩で約20分。そのほか、「竹ノ塚駅」や「綾瀬駅」からはバスの利用も可能です。

面積は8,530平方メートルで、サッカーコート約1.2面分ほどの広さがあります。園内をゆっくり散策していると、ところどころで苔が広がる様子を目にすることができます。

園内にある集会施設「桜花亭」の1階には、庭園を眺めながらランチやカフェタイムを過ごせるカフェがあります。席によっては目の前に苔むす石畳が広がり、古都を訪れたような気分です。
花畑記念庭園
東京都足立区花畑4-40-1
公式サイト
5. 道場寺(石神井公園)

道場寺は、応安5年(1372年)に建てられたと伝わるお寺で、現在は曹洞宗に属しています。山号は「豊島山」、院号は「無量院」で、正式な名前は「豊島山 無量院 道場寺」です。山門をくぐった左手には三重塔がそびえていて目を引きます。昭和48年に建立された総檜造りの立派な建物で、青もみじとの彩りが美しいです。

境内に足を踏み入れて目に留まるのは、ビロードのような苔。しっとりした苔が敷き詰められています。

山門のほうを振り返ると、石畳の両側に苔が広がっているのがわかります。ベンチに腰をおろしてゆっくりと趣を味わいたくなります。
道場寺
東京都練馬区石神井台1-16-7
6. 観泉寺(上井草)

杉並区にある「観泉寺」は、西武新宿線「上井草駅」から徒歩約12分の場所にあります。戦国時代に駿河などを治めた今川氏ゆかりのお寺で、今川家累代の墓は東京都指定旧跡。竹林が生い茂る風情のある景色を楽しむことができます。

池泉鑑賞式庭園があり、散歩が気持ちいいお寺です。手入れの行き届いた境内にはきれいな苔も広がっています。

山門の手前、石畳の参道の両側にも苔が敷き詰められている小さな庭があり、青もみじとの共演の美しさに見惚れてしまいます。
観泉寺
東京都杉並区今川2-16-1
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7. 九品仏浄真寺(九品仏)

約12万平方メートル(東京ドーム2.5個分)もの広大な敷地をもつ「九品仏浄真寺」。東急大井町線「九品仏駅」から徒歩約5分ですが、自由が丘駅からも徒歩15分ほど。あの自由が丘から歩ける場所に、静かで広大なお寺があることに驚いてしまいます。
青もみじが山門を覆う様子を眺めていると、京都を旅しているような錯覚になります。

境内には枯山水庭園もあります。お賽銭をおさめて本堂へあがると、いっそう美しい眺めが楽しめます。

本堂の近くでは、苔むす景色が楽しめます。ところどころ木の根が地表に顔をのぞかせ、その上にも苔が寄り添うように覆っています。木々の間から差し込む木漏れ日が苔を照らし、明るい緑と影のコントラストが美しい風景です。
九品仏浄真寺
東京都世田谷区奥沢7丁目41-3
公式サイト


