東京にいながらも、ふと旅気分を味わえる時間が好きです。知らない街を歩くときのワクワクや、どこか懐かしい雰囲気のほっとする感じに、ちょっとしたお出かけでも心が弾みます。
今回は、門前仲町エリアの「人情深川ご利益通り」をぶらりと歩きました。商店街の空気を楽しみながら歩き、最後は「深川不動堂」を参拝。
距離にすればほんのわずかですが、知らない景色や空気に包まれた時間で、しっかりリフレッシュできました。
駅からすぐの参道商店街「人情深川ご利益通り」

東京メトロ東西線・都営大江戸線「門前仲町駅」の1番出口からすぐの場所に広がる「人情深川ご利益通り」。大きく「成田山」と書かれた赤い鳥居が目印です。
歩くだけでご利益がありそうな名前のこの参道は、永代通りから深川不動堂へと続くわずか約150m。
「深川 伊勢屋 本店」で抹茶パフェをいただく

赤い鳥居のすぐ隣にあるのが、明治40年創業の老舗の和菓子屋さん「深川 伊勢屋 本店」。お店の隣にはお食事どころがあり、早速、こちらでひと休みすることにしました。

名物の「深川めし」をはじめ、日替わり定食、煮魚定食、唐揚げ定食、そして50年受け継がれている伊勢屋のカレーなどのお食事メニューがあります。
せっかく深川を訪れるなら、名物の「深川めし」を食べよう!と思っていましたが、夏の暑さでごはんという気分になれず予定変更。冷たくて甘いものを食べることにしました。

あんみつ、ところてん、豆かん、いそべ巻き、あべかわ餅、パフェなど、甘味処らしいメニューに心が躍ります。なにより、お値段がお手頃!
迷ったあげくに、抹茶パフェにしました。

運ばれてきたのは、派手すぎず、かといってシンプルすぎない抹茶パフェ。「そうそう、こういうのが食べたかった!」と心のなかでつぶやいてしまうようなパフェです。

最初に抹茶ソフトクリームを口に入れると、ちょうどいい甘さで幸せが口いっぱいに広がります。
抹茶ソフトクリームだけでもけっこう量があり、あんこを食べつつ、白玉を食べつつ、ミニ深川まちこを食べつつ、いろんな味わいがあって全然飽きません。途中からフレークも登場し、最終的には、ガラス容器の下には抹茶寒天もたっぷり。
ところで深川まちことは、求肥で抹茶チョコレート餡を包んだ、伊勢屋の人気銘菓です。
サイズこそ、そこまで大きくありませんが、食べ終わる頃には「これで880円ならコスパがよすぎ!」と大満足。「また食べに来たい!」というのが、本当に正直な感想です。
さて、おいしい甘味を食べたあとは、「人情深川ご利益通り」をぶらりとしながら「深川不動堂」へ向かいます。
「人情深川ご利益通り」をぶらりと散策

さっそく気になったお店を発見!こちらは「ななツール」というお店で、名前のとおり、7つの道具を販売。傘、キッチンツール、手ぬぐいなど、おしゃれなアイテムが小さな店内に並んでいます。

カラフルな小さな傘がずらりと並んでいるのが可愛らしくて、お店の横からもパシャリ。

つづいて目にとまったのが「折原商店」。日本各地の日本酒を取り揃えるお店で、店頭で角打ちもできます。下町らしい温かさを感じますね。

参道の途中にある「永代寺」。かつて永代寺の境内で成田山の不動明王が出開帳(特別公開)されたことが、深川不動堂が創建されるきっかけとなったそう。

おしゃれなカフェもあります。「MONZ CAFE」は、キューブ型のケーキが可愛らしい。

人気のベーカリーカフェ「パンとエスプレッソと」と保育園「さくらさくみらい」がコラボしてできた子育て支援カフェ「みらいのテーブル」。洞窟のようになっているおしゃれなお店で、テラス席もあります。デカフェのコーヒーや紅茶があるのも嬉しい。

参道グルメらしい、たい焼きのお店「天然鯛焼き 鉄華」も!しかし、暑い時期はなかなかたい焼きを食べる人が少ないのか、私が訪れた8月は営業していませんでした。
「成田山東京別院 深川不動堂」の堂内が見応えたっぷり

さて、150mもないくらいの参道なので、あっという間に「深川不動堂」へ到着しました。千葉県の成田山新勝寺を本山とする東京の別院です。御本尊の不動明王は、「煩悩を断ち切り、正しい道へ導く仏」とされ、古くから多くの人に信仰されています。

境内案内図を確認。青緑色の屋根のお堂が本堂だと思っていたら、旧本堂だということがわかりました。

こちらが現在の本堂!外壁に黒と金の梵字(ぼんじ)が並ぶ光景が神秘的です。
梵字とは古代インドのサンスクリット語を表す文字で、仏そのものを象徴する“聖なる文字”。ご本尊・不動明王のご真言を構成する梵字が刻まれています。
見上げるような高さであることも手伝って、その迫力に圧倒されてしまいます。

旧本堂でお参りをしたあとは、そのまま靴を脱いで堂内を見学しました。靴を入れるビニール袋もちゃんと用意されています。
旧本堂と本堂、内仏殿はなかで繋がっており、1階・2階・4階を自由に見学OK!エレベーターもあります。
堂内は撮影禁止のため写真はありませんが、「深川不動堂」を訪れたら、ぜひ堂内の見学もしてみて!とおすすめしたいくらい、見ごたえたっぷり。
とくに4階にある日本最大級の天井画「大日如来蓮池図」は、しばらく椅子に座って見入ってしまうほど壮大。訪れる人も少なく、自分のペースでゆっくり楽しめました。
そして1階の「祈りの回廊」には、約1万体のクリスタル五輪塔が奉安されており神秘的。回廊というくらいなので、細い道をクリスタルの五輪塔に包まれながら歩いていきます。
また、内仏殿2階には「写経道場」があり、写経体験ができるようです。

外にはお守りや護摩木の授与所などがあります。
なかでも目を惹くのが、大きな「わらじ守り願掛け」。お守りの絵馬に願い事を書いて、大きなわらじに掛け、「健脚祈願」や「足腰の健康」を願うものです。
おわりに

さて、今回歩いた「人情深川ご利益通り」から「深川不動堂」への小さな旅は、想像以上に旅行気分を味わえるひとときでした。
浅草や柴又の参道に比べれば距離は短いものの、そのぶん人混みに流されることなく、自分のペースで歩けるのが魅力。穴場感がありながら、甘味や参拝で心も満たされるので、気軽な街歩きにぴったりです。
都会の真ん中で小さな旅を味わえるこの場所には、またふらりと立ち寄りたくなる魅力がありました。
住所・アクセス/関連サイト
人情深川ご利益通り
東京都江東区富岡1丁目周辺
東京メトロ東西線・都営大江戸線「門前仲町駅」1番出口よりすぐ
成田山東京別院 深川不動堂
東京都江東区富岡1-17-13
東京メトロ東西線・都営大江戸線「門前仲町駅」1番出口より徒歩2分
公式サイト