やりたいことリストも大切だけれど、同じぐらいに大切なのが「やめることリスト」です。限られた時間やエネルギーのなかで何かを始めるには、何かをやめることを決めるとスムーズ。やめるとは行動だけでなく考え方も、そう。この記事では「やめることリスト」を書く理由とあわせて、筆者がおすすめしたい「やめることリスト」の具体例もご紹介していきます。
やめることリストで毎日が輝く理由
何かを始めることは簡単でも、やめることは意外に難しい。
買ったはいいものの一度も着ていない洋服を捨てるのが難しいように、なにかを手放すことの方が難しいものです。
筆者は趣味でランニングをつづけており「続けてるなんてすごい」と言われることもありますが、「やめる勇気がない」だけという捉え方もあります。
なにかをやめることで隙間が生まれ、新しいものを入れることができます。それは本当に大切なものかもしれません。
なにかをやめなかったばかりに、本当に大切なものに気づくのが遅くなることもあります。
自分を縛っている考え方や、小さな違和感を感じながらも、見て見ぬフリをして続けていること、「せっかくだし」と続けていること…。
もし毎日がなんだか色あせているように感じるのなら、何かを始めるのではなく、何かをやめることが必要なのかもしれません。
やめることで、今の自分に本当に必要なものに気づき毎日が輝きはじめます。
やめることリストの具体例
ここからは筆者がおすすめしたい「やめることリスト」を、「考え方・行動」「人間関係」「日常生活」「美容・健康」の4つの項目にわけてご紹介していきます。ぜひ具体例として参考にしてみてくださいね。
やめることリスト<考え方・行動>
1. 自分を見くびること
自分の可能性に制限をかけているのは、外でもない自分自身。自分をみくびるのをやめて、もっと自分のことを信じてあげたい。
「私ならできる」
「私なら幸せになれる」
自分の未来に希望をもっているから頑張ることができるし、毎日を生き生きと過ごすことができます。
2. マルチタスク
一度に複数のことを同時にこなすことができる「マルチタスク」。
一見やめなくていいことのように思えますが、「マルチタスク」はかえって効率が悪いことがわかっています。
また幸福度が高いのは「シングルタスク」であり、「マルチタスク」は不安を感じやすいと言われています。
マルチタスクは脳疲労を起こし、それが鬱々とした状態を引き起こすのです。
幸福度が高い人は今に集中している人であり、マルチタスクの人はその逆。目の前のことに集中できず心ここにあらずで、楽しい旅行中でも仕事のことを考えたり、友人との食事中でも家に帰ってからのことを考えるなどし今を楽しめないのです。
3. 心のモヤモヤを無視すること
なんだか心がモヤモヤする。
原因不明のモヤモヤの正体は、本音と行動にズレが起きているからということが考えられます。
心がモヤモヤしたときは自分の本音に気づくチャンス!
「私は本当はどうしたいのだろう?」
「私はなにがしたいのだろう?」
「私はなにが不満なのだろう?」
など、徹底的に自分と向き合う時間をとる。
筆者がよくやるのは、頭のなかをノートに書き出すことです。
手をとめずに、今思っていることをバーっとノートに書き出していくと「あ、私、こんなこと思っていたんだ」と気づくことができます。
頭のなかを棚卸しする作業ですね。
脳は一日にたくさんのことを考えるので、いくつもの思いを素通りしてしまいます。
それに気づく作業がノートに書き出すことになります。
4. 「しなきゃ」を優先させること
「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と、しないといけないことを優先させて、「したい」ことを後回しにするのはやめる。
しなきゃいけないことは、本当にしなきゃいけないことなのか?と考えると、ただの思い込みである場合も多いです。
自分の「したい」という心の声に従い、自分に好きなことをさせてあげると自分を好きになっていきます。
反対に「しなきゃ」ばかりを優先させて我慢が多い毎日になると心が満たされず、その満たされない思いが他人への批判や攻撃につながったりします。
5. 悩みすぎて行動しないこと
「やりたい!」と思ったことは、まずやる。
じつは悩んでいる時間は行動しなくてもいいので楽です。
だから悩みの沼にハマってしまうと、悩んでいる状況からなかなか抜け出せなかったりしますが、やりたいことはやってみないとわかりません。
筆者も「やりたいけどどうしよう」と何年も悩んでいたことを、ついに腰を上げてやってみましたが、全然自分に合っていないことがわかりました(笑)。
早々にトライして見切りをつけていたら、また違ったことに挑戦できていたかもしれません。
あまりに悩みすぎると、ただの時間の無駄になってしまいます。
6. やらない理由を考えること
「やってみたい!」と思ったのもつかの間、やらない理由を考えてしまうのをやめる。
・お金がない
・時間がない
・自分にはできない
やらない理由を考えるのは簡単ですが、やらない理由を考えることの危険性は、「やらなくて済むから」という理由でずっとお金がない状態、時間がない状態がつづく場合があるんです。
これは無意識下のものであり自分では気づきにくいですが、お金がない状態、時間がない状態を自分が望んでしまっているんですね。
そしてそれを引き寄せつづけます。
7. 年齢を言い訳にすること
「もう歳だから」と言ってしまえば、何もしなくていいので楽です。努力もせずに済みます。
しかし楽だけど楽しくない。
年齢を言い訳にするのをやめ、いつまでも「なりたい自分」「ありたい自分」を諦めずに探求できるのは幸せなことです。
諦めないから若々しくいられます。
8. ・足りないものを数えること
人はどうしても足りないものを数えてしまいがちですが、足りないものを数えるのはやめる。
「足るを知る者は富む」という言葉があるように、つねに「足りないもの」を数えてしまう人は、なにかが手に入ってもまたすぐに足りないものに意識が向き、つねに不足感を抱えながら毎日を過ごすことになります。
いまに満足するとは挑戦しないことではなく、いまに感謝できるということ。
心が満たされているということです。
9. 他人と比べること
他人と比べることほど意味のないことはありません。
誰もがこの世にたった一人しかいない特別な存在であり、それぞれのよさがあります。
Facebookを一週間やめるだけで幸福度がアップするという調査結果もありますが、Facebookは他人と比べてしまいやすいSNSだから。
わざわざ他人と比べて自分の心を傷つけるのをやめよう。
10. 他人に意識を向けること
他人のことばかり考えているということは、自分のことを考える時間が減るということ。
自分に意識を向ける時間が減ると、自分の本音がわからなくなりモヤモヤが増えます。
「私はなにがしたいのだろう」
「私はどうしたいのだろう」
他人にばかり意識を向けるのはやめて、こうした自分の気持ちを聞いてあげることに意識を向けると毎日が輝いていきます。
11. 何かをしたあとで後悔すること
「ああしなきゃよかった、こうしなきゃよかった」と後悔するのはやめる。
後悔することには何も意味がありません。
すべてその時の自分が「そうした方がいい、そうしたい」と思ったことをやったわけで、その時の自分の最善だったのです。
なにかをやらずに後悔することもありますが、その時の自分が「やらない方がいい」と思ったから。
後悔したからと言って何かが変わるわけではなく、変わるとするなら、今からの選択です。
12. ネガティブな妄想
人には防衛本能が備わっているためネガティブな妄想をしてしまうのは、ある意味仕方がないことです。
しかしネガティブな妄想ばかりを繰り広げていると、何も挑戦できなくなってしまいます。
せっかく妄想をするなら楽しい妄想を。
現実にはまだ何も起きておらず、この先何があるかは誰にもわかりません。
ネガティブじゃない方の未来だってあるのです。
やめることリスト<人間関係>
13. 大切にしてくれない人に好かれようとすること
自分にたいしてぞんざいな扱いをする人に好かれようとするのはやめる。
大切にしてくれない人に時間を割くことは無駄であり、大切にしてくれない相手に好かれようとするのをやめることは、自分を大切にすることにつながります。
自分が最も大切にするべき相手は自分です。
自分をないがしろにしているから、他人からもないがしろにされます。
14. 他人の気持ちにネガティブな決めつけをすること
「あの人は私のことを嫌いに違いない」など、他人の気持ちにネガティブな決めつけをするのをやめる。
ネガティブな決めつけをした途端、相手と距離をつくってしまいます。
もちろんそれを望むのならいいけれど、例えば素っ気なく感じるのは、ただの人見知りであったり、照れ隠しである場合もあるのです。
15. 自分がコントロールできないことで悩むこと
コントロールできるのは自分だけで、他人はコントロールできません。
自分がコントロールできない他人のことで悩んでいても答えがでないので、脳は疲れます。
延々と悩みの沼から出ることはできず、気づけば同じことで何ヶ月も悩んでいたりします。
そして悩みつづけると次第に暗くなっていきます。
だから自分がコントロールできないことで悩みつづけるのはやめる。
16. 他人に期待すること
他人に期待することをやめると、人間関係でのストレスが減ります。
他人に期待するということは、「こうしてほしい」「こうなってほしい」と相手を変えようとすること。
しかし他人をコントロールすることはできないし、世の中に完璧な人なんていません。
「そういう人なんだ」と受け入れ、受け入れた上で自分はその人とどう付き合っていきたいかです。
自分を幸せを知っているのは自分だけであり、自分を幸せにできるのは自分だけです。
いつでも「自分がどうしたいか」を大切にしたいですね。
17. 他人に媚を売ること
他人に媚を売ることをやめる。
媚を売っても見くびられるだけです。
18. むやみに謝ること
むやみに謝ることをやめる。
むやみに謝ることもまた、見くびられるだけです。
そしてまた、むやみに謝ることで相手を勝手に被害者にしてしまうので、相手は気分がよくありません。
例えばAさんがBさんにLINEをして返信が来なかったとき、Aさんが「忙しいのにLINEをしてごめんね」と追いLINEをして謝ったとしましょう。
すると、返信をしなかったBさんは被害者になると同時に、BさんはAさんを加害者にしたことになるのです。
誰も相手を悪者にしたいなんて望んでいないのに、むやみに謝られることで自分が被害者となり相手を加害者にしてしまいます。
だから、むやみに謝らない。
19. 他人にどう思われるかを気にすること
他人にどう思われるかを気にすることは、他人の人生を生きることになります。
人が一番興味があるのは自分のことであり、自分が思っているほど他人はあなたのことを気にしていません。
いちいちとやかく、他人のことに口出ししてくる人は暇なだけです。
他人のことを批判ばかりする人は、他人を批判することで「私はもっと上だ」と、自信のなさをカバーしようとしているのです。
だから他人にどう思われるかを気にするのはやめる。
20. 他人の心配ばかりをすること
他人の心配ばかりして自分のことを疎かにするのはやめる。
心配することは、相手を「できない人」「弱い人」「かわいそうな人」として見ていることであると同時に、相手をコントロールしようとすることの現れでもあります。
相手にとってはその心配が、単なるお節介である場合も少なくないのです。
21. 食事中にテーブルの上にスマホを置くこと
人には「重要な人として扱われたい」という心理があります。
誰かと食事をしているときにテーブルの上にスマホを置くことで、相手は「重要な人とみなされていない」と感じる場合があります。
だからテーブルの上にスマホを置くことをやめ、目の前にいる人を大切な人として扱う。
22. LINEを気にしすぎること
LINEが悩みの種になっている人が多いようです。
既読がつかない、返信が来ない、内容がそっけない、スタンプで返信…。
相手が何を考えているかはやっぱり相手にしかわからないので、「なぜ○○なのだろう?」と相手の気持ちを推測しようとしても答えは出ません。
LINEを気にしすぎることをやめる。
LINEを日常のなかで重要度の高いものにしない。
リアルのつながりを大切にしたいですね。
23. 必要以上にかっこよく見せること
「素敵な人だと思われたい」とばかりに、自分を必要以上にかっこよく見せようとするのはやめる。
人に好かれる人は、かっこいいところばかりを見せる人ではなく、ダメなところも見せることができる人です。
自己開示できる人ほど好かれてしまうのです。
ただし自己開示と自虐は違います。
24. 自分の話ばかりすること
自分の話ばかりする人は嫌われます。
人は誰でも自分の話を聞いてほしいと思うものであり、話を聞いてあげられる人は好印象をもたれやすいです。
「私も」と相手の話を遮らず最後まで聞く。
これだけでも変わります。
自分の話ばかりしてしまうのは承認欲求がつよく認められたいから。
誰かに認めてもらおうとせず、自分で自分を認めてあげられるようになると他人の話を聞く余裕がうまれます。
25. 嫌いな人のことを考えること
嫌いな人のことばかり考えてしまうのをやめる。
といっても嫌いな人のことを考えてしまう人は多く、なかなかやめられないことの一つかもしれません。
しかしそれでも、わざわざ嫌いな人のことを考えることに時間を費やしてしまうのは、大切な自分の時間を嫌いな人に奪われているようなもの。
嫌いな人のことを考えるのをやめるには、自分に意識を向けること。
「自分が今したいことはなんだっけ?」と考えると、けっして嫌いな人のことを考えることではないはずです。
やめることリスト<日常生活>
26. いつか使うかも、読むかも、着るかも
いつか使うかもと何年も使っていないもの、いつか読むかもと何年も読まないままの本、いつか着るかもと何年も着ていない洋服に執着するのをやめる。
自分にとって必要でないものに囲まれて暮らしていると、自分にとって本当に大切なものがわからなくなります。
世界的に有名な片づけコンサルタントである近藤麻理恵(こんまり)さんの片付けメソッドは、ときめくものだけを残すというもの。
ときめくものに囲まれることで、自分にとって大切なものがわかり、自分のやりたいことに気づけ、心が満たされた暮らしができるようになります。
27. 出しっ放しにすること
部屋を片付けてもすぐに散らかってしまうのは単純に、出したものをそのままにしておくからです。
収納の動線がわるく、収納するのがめんどくさいということもあります。
目に見えるものが多いと、脳はそれだけ処理するものが増えるのでエネルギーを使い疲れやすくなります。
だから出したものを出しっぱなしにするのはやめる。
すぐにしまいやすい場所に収納場所をつくる。
28. もったいないに囚われすぎること
「もったいない」にとらわれすぎて、本当に大切なものを手に入れるチャンスを逃すのをやめる。
読み出して「つまらないな」と思った本でも、せっかく買ったのだから「もったいない」と最後まで読む。
もうあまり興味のなくなった趣味でも、せっかくここまでやってきたのだから「もったいない」と趣味をつづける。
人にはサンクコスト効果という心理があり、「これだけお金をかけたのだから、これだけ時間をかけたのだから」もったいなくてやめられない心理が働きます。
しかし「もったいない」をやめることで、べつの新しいものが入ってくるし、自分にとって本当に大切なものに出会ったりするものです。
29. 衝動買い
お金がなかなか貯まらない人は衝動買いをする人です。
筆者の衝動買いといえばレシピ本。本屋さんで「これ作ってみたい!」と思ったレシピ本をすぐに買うクセがありましたが結局1つ2つ作ってそのままということが多く、日常的に使っているお気に入りのレシピ本は数冊です。
30. 安いからという理由だけで買うこと
安いからという理由だけで、それほど欲しくないものを買うのをやめる。
本当にほしいものだけを買うようにする。
31. 冷蔵庫のものを腐らせること
野菜などを使いきれずに腐らせてしまうことをやめる。
使える分だけ買うことや、買った日に小分けにしたり、冷凍できるものは冷凍をするなどの工夫をして、できるだけ食事を腐らせることなく使いきる。
やめることリスト<美容・健康>
32. 髪を完全に乾かさずに寝ること
美しい髪を保つには、髪をきちんと乾かすこと。
むかしはドライヤーの熱で髪が傷むと言われ、80%程度乾かすのがよいと言われていた時期もありますが、現在のドライヤーは進化しています。
100%きちんと髪を乾かすのが美髪を保つコツです。
とくに髪が完全に乾いていないまま寝ると、枕との摩擦で髪が傷みやすくなります。
髪は見た目の印象はもちろん、見た目年齢も大きく左右する部分です。
33. 片足に体重をかけて立つこと
電車に乗っていても片足に体重をかけて立っている人をよく見かけますが、片足に重心を置くことで骨盤がゆがんだり、太ももの外側に張りがでるなど体型がくずれやすくなります。
立つときは両足で立つことを意識して立ちましょう。
34. 座りっぱなしの一日
座りっぱなしが身体や心によくない影響を及ぼすことは、たびたびメディアでも伝えられるようになりました。
全身の筋肉の約70%を占める下半身の筋肉を使わないため血流が滞り、さまざまな小さな不調が現れ、ひいては寿命が短くなるリスクや、鬱々とした状態に陥りやすくなると言われています。
デスクワークの場合はこまめに立ち上がるなどして座りっぱなしをやめる。一日のなかに運動を取り入れるなどをして座りっぱなしをリセットする。
電車を利用する人は車内で立つ、家では家事をするなどして座らない時間を増やすなど、ちょっとの工夫で座りっぱなしをやめることができます。
35. 甘いものを食べて罪悪感を持つこと
甘いものを食べ過ぎると糖化を起こし老化が進むなど、甘いものは美容や健康を気にする人にとって天敵のような存在かもしれません。
しかし甘いものを我慢してストレスが溜まるぐらいなら、たまには食べる。
そして甘いものを食べたあとに「あー、また甘いものを食べちゃった」と罪悪感を感じるのをやめる。
甘いものを食べるなら「おいしくて幸せ〜」と幸せを感じながら食べたいですね。
食べたあとに罪悪感を感じるぐらいなら食べない、と決めましょう。
36. コンプレックスを悲観すること
おそらくコンプレックスのない人なんていないでしょう。
しかし他人は、あなたのコンプレックスを気にしていません。
人が一番興味があるのは自分であり、他人のコンプレックスより自分のコンプレックスに悩んでいるものです。
だからコンプレックスを気にして悲観するのをやめる。
コンプレックスを受け入れて、それが自分の個性だと思えば魅力に変えることができます。
欠点を補おうとするより長所を伸ばすほうが、あなただけのオリジナルの輝きが生まれます。
37. 完璧を目指すこと
完璧を目指すことはデメリットのほうが多く、完璧を目指すのをやめると生きやすくなります。
完璧を目指してしまうのは不安だから。
自分の抱えている不安を「完璧」という幕で覆い被せようとしますが、完璧主義の弊害は前に進めないことです。
自分に100点をあげられないと進めないので、やみくもに時間ばかりが過ぎていきます。
人は完璧じゃないから愛されます。
完璧じゃない人のほうが魅力を感じてしまうものなんです。