川沿いをのんびり歩いたり、海が広がる景色に癒されたり……。水辺を歩く時間は、日常の喧騒を忘れて気持ちがふっと軽くなるものです。ここでは、私が実際に足を運んで「また訪れたい」と感じた、水辺の散歩が楽しい東京のスポットをご紹介します。
1. 石川島公園・佃公園(月島)

隅田川沿いに広がる石川島公園〜佃公園にかけての散歩道は、都心にいながら開放感たっぷりの景色を楽しめるエリアです。川沿いを歩けば、隅田川に架かる個性豊かな橋たちが現れ、まるで東京の橋めぐりをしているような気分に。タイミングが合えば、水上バスが行き交う姿も見られ、ちょっとした旅情を味わえます。

石川島公園からは、永代橋越しに望むスカイツリーの景色が見どころのひとつ。水色の曲線が美しい永代橋と、その奥にそびえるスカイツリーは、東京らしい絵になる景観です。

石川島公園と佃公園の境となるのが「中央大橋」。橋から佃公園を眺めたのが上の写真です。豊かな緑と、隅田川に沿って整備されたウッドデッキ「隅田川テラス」が見事に調和し、都心のオアシスを感じさせます。

隅田川を眺めるようにベンチも点在。屋根付きなので日差しを遮りながらゆっくりと寛げます。
石川島公園・佃公園
東京都中央区佃1丁目〜2丁目
2. 天王洲アイル(品川)

天王洲アイルは、品川区に属する人工島。最寄駅は東京モノレールまたはりんかい線「天王洲アイル駅」ですが、品川駅からも歩いて20分ほどです。運河沿いの景色を見ながら、ぶらぶら歩いて訪れるのも気持ちがよくおすすめ。
近年、アートの発信地としても注目され、倉庫をリノベーションしたギャラリーや、運河沿いの壁面アート、屋外彫刻が点在。水辺の景観と調和して、独特のアートな雰囲気をつくり出しています。思わず足を止めて写真を撮りたくなるような場所が、あちこちにありますよ。

近代的なビル群と水辺の景色が調和し、都心にいながらリゾート気分を味わえるのも大きな魅力。水辺を眺めるようにベンチも設けられ、癒しのひとときを過ごせます。

天王洲運河に架けられている「天王洲ふれあい橋」は、歩行者専用の橋。数々のドラマや映画のロケ地としても使われる、天王洲アイルを象徴するスポットです。

天王洲ふれあい橋にかぎらず、天王洲アイル自体がロケ地としてよく使われますが、こちらのシーフォートスクエアもよく登場します。
シーフォートスクエアは、天王洲アイル駅から直結のウォーターフロント複合施設。ガラス張りの開放的なアトリウム「ガレリア」を中心に、レストランやカフェ、劇場などが集まっています。
天王洲アイル
東京都品川区東品川2丁目
公式サイト
3. 新木場緑道公園(新木場)

新木場緑道公園は、新木場駅から徒歩約20分の場所にある、海沿いに長く伸びる公園です。公園の長さは約1.3km。L字型に曲がる部分も含めると2.2kmほどでしょうか。ロケーションが抜群にもかかわらず、アクセスがそこまでよくないため、超穴場と言えるスポットです。

途中、とくにデートにおすすめの「ロマンスデッキ」が現れます。海に向かって突き出たデッキには二人がけのベンチがぽつんと置かれ、そばには街灯も。ちょうど目の前には、葛西臨海公園の大観覧車も見えます。

ひたすら海沿いに整備された道を歩いていると到着するのが「いかりデッキ」。目の前には海が広がり、まるで船のデッキにいるような気分になります。
新木場緑道公園
東京都江東区新木場4丁目
公式サイト
4. 木場親水公園(木場)

東京メトロ東西線「木場駅」の3番出口から徒歩わずか2分の場所にある「木場親水公園」は、江戸の風情を楽しみながら散策できるスポット。
もともと木場は、全国から運ばれてきた木材を集積・保管する町として発展してきました。木材を運ぶための運河跡が、水辺と緑を楽しめる親水公園に生まれ変わったのです。

公園のシンボルでもある太鼓橋「鶴の橋」と、風にゆらめく柳が織りなす光景は、まさに江戸!タイムスリップしたような気分で川沿い散歩が楽しめます。

和船が格納されている小屋を柳が覆う景色も絵になります。右手には江戸時代の渡し場を思わせる休憩所もあり、遠くには、さきほどの太鼓橋「鶴の橋」が見えます。
大都会・東京にいながら、一味違った水辺の散歩が楽しめる公園です。

木場親水公園
東京都江東区木場3-18
公式サイト
5. 水元公園(金町)

水元公園は小合溜(こあいだめ)と呼ばれる池に沿ってつくられている公園です。面積は約96万 平方メートル(東京ドーム約20個分)と広大。
池を境にして葛飾区側が「水元公園」、そして三郷市側が「みさと公園」として整備されており、池の対岸に「みさと公園」のメタセコイアやラクウショウなどの針葉樹をのぞむ景色が、まるで北欧・フィンランドの湖を訪れたようです。

これだけ美しい景観なので、池を眺めるようにベンチがたくさん置かれています。春や秋など気候のいい季節には、本を片手にのんびり過ごしたり、コーヒーを片手にぼんやりと眺めたりするのも気持ちがよさそう。

大きな池のまわりには遊歩道が整備されており、北欧の湖畔のような景色を眺めながらの散歩は、慌ただしい日常を忘れさせてくれます。

水元公園
東京都葛飾区水元公園・水元猿町・東金町五、八丁目
公式サイト
6. 若洲海浜公園(新木場)

潮風を感じながらのびのび散歩が楽しめるだけでなく、整備されたサイクリングコースもあり、都心にいながら海辺のリゾート気分を味わえます。園内にはヤシの木のような南国風の植栽も見られ、青空の下を歩くだけで開放的な気分に。

この公園の大きな魅力は、堂々とした姿の東京ゲートブリッジを間近に眺められること。恐竜が向かい合うような独特の形から「恐竜橋」とも呼ばれるこの橋は、全長約2,618mとレインボーブリッジの約3倍の長さを誇ります。
夕暮れどきにはオレンジ色に染まる空と橋のシルエットが絶景!思わず足を止めてしまうほど美しい光景が広がります。

公園内には海を望むベンチも多く配置されており、散歩の途中で腰を下ろして景色を楽しみながらひと休みするのにぴったり。公共交通機関で訪れる場合は「新木場駅」からバス利用となり、やや不便さはあるものの、広大な海辺の景観と開放的な雰囲気は足を運ぶ価値ありです。
若洲海浜公園
東京都江東区若洲3丁目
公式サイト
7. 江東旧中川水彩パーク(東大島)

江東旧中川水彩パークとは、東京都江東区にある、旧中川沿いの水辺と緑を活用した広域的な公園エリアの総称です。そのうちのひとつ「旧中川水辺公園」は、旧中川の河川敷に平成23年4月12日開園した公園。散策路が整備されており、スカイツリーを眺めながら気持ちのいい散歩が楽しめます。

あじさいの名所としても知られ、ふれあい橋の北側に5種類のアジサイが約2,000株植栽されています。

私はあじさいの季節に訪れましたが、旧中川沿いには桜の名所として知られるエリアや、川の駅にぎわい施設、そして北欧テイストのカフェなどもあり、季節ごとに表情を変える川沿い散歩を存分に楽しめます。
江東旧中川水彩パーク
東京都江東区亀戸8丁目〜9丁目
公式サイト
8. 御岳渓谷遊歩道(青梅)

散歩というよりゆる〜いハイキングのようになりますが、大自然に囲まれながら水辺を散歩できるとっておきの場所が「御岳渓谷遊歩道」です。JR青梅線「軍畑駅」で下車し、御岳渓谷遊歩道を歩きながら「御嶽駅」を目指すコースが一押し。
傍には雄大な多摩川が流れる気持ちのいい散歩コースで、とにかく透明度の高さにも驚きます。

途中、渓谷を眺めながら食事ができる「清流ガーデン澤乃井」や、カフェ「CAFE雫」があるので、ひと休みしながらの散歩がおすすめ。

御嶽駅近くにある「御岳橋」からの眺めは、東京にいることを忘れてしまうほど雄大で、目の前いっぱいに広がる緑と多摩川の流れが迫力満点。
軍畑駅から御嶽駅を目指す「御岳渓谷遊歩道」は、距離にしておよそ2キロ。川のせせらぎや木々のざわめきを聞きながら歩く時間はあっという間で、初心者でも安心して楽しめます。
御嶽駅から先にも遊歩道は少し続いており、余裕があればさらに散策を延ばして、奥多摩の豊かな自然を味わうのもおすすめです。
御岳渓谷遊歩道
東京都青梅市御岳