東京にある入園無料の日本庭園おすすめ12選

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花畑記念庭園

東京には、無料で入園できる日本庭園がいくつもあります。今回は、その中から実際にわたしが訪れて「ここはおすすめしたい」と感じた庭園を、いくつか厳選してご紹介します。

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東京を拠点に、明日がちょっと楽しみになるおでかけや日々のヒントを発信。Amazon Kindle総合2位・エッセイ部門1位『わたしをご機嫌にする休日』をはじめ、7冊を出版。Yahoo!ニュース エキスパートでは「おでかけ記事」を執筆中です。JFN系全国28局ネット番組に出演し、東京の穴場スポット紹介も。

目次

1. 平成庭園(西葛西)

平成庭園

東京メトロ東西線「西葛西駅」から徒歩約15分。行船公園の一角にあるのが「平成庭園」です。平成元年3月に開園した、面積約1万200平方メートルの築山池泉廻遊式庭園(つきやまちせんかいゆうしき)で、山や池、流れを配した園内を、園路に沿って歩きながら移り変わる景色を楽しめる構成になっています。

平成庭園

平成庭園を訪れて感じたのは、水の情景の美しさです。高さこそありませんが、まるでナイアガラの滝を思わせるような水の流れを見ることができ、その流れを眺めていると心まで洗われていくような清々しさを感じます。

平成庭園

園内には3つの建物があり、そのうち2つが「つつじ亭」「林泉亭」と名前のついたあずまや。もう一つが、池のほとりに建つ茶室「源心庵」です。源心庵の前庭には手入れの行き届いた立派な枯山水が広がり、波に見立てた砂紋が描かれています。その景色はどこか幻想的で、しばらく眺めていたくなります。

平成庭園
東京都江戸川区北葛西3-2-1
公式サイト

2. 花畑記念庭園(竹ノ塚)

花畑記念庭園

足立区にある「花畑記念庭園」は、区制50周年を記念して整備された日本庭園です。アクセスは「竹ノ塚駅」や「綾瀬駅」からバスを利用するほか、「谷塚駅」からは約1.5キロと徒歩でも訪ねることができ、20分ほどで到着します。

周囲は築地塀と石垣で囲まれており、外観からも落ち着いた趣が感じられます。門をくぐる前から、どんな庭園が広がっているのか自然と期待が高まります。

花畑記念庭園

庭園は、池のまわりに園路が整備された「池泉回遊式」。歩くたびに景色が少しずつ変わり、景観の移り変わりを楽しみながら散策できます。石組みや植栽など、庭園ならではの意匠も随所に見られ、園内を歩いていると心がゆっくりとほどけていくような感覚になります。

花畑記念庭園

園内にある集会施設「桜花亭」にはカフェが併設されており、庭園を眺めながらランチタイムやカフェタイムを過ごすことができます。店内席も充実していますが、テラス席に出ると滝の音が心地よく響き、よりリラックスした時間を楽しめます。

花畑記念庭園
東京都足立区花畑4-40-1
公式サイト

3. 肥後細川庭園(江戸川橋)

肥後細川庭園

肥後細川庭園があるのは、「ホテル椿山荘東京」のすぐお隣。東京メトロ有楽町線「江戸川橋駅」や、東京メトロ東西線「早稲田駅」から徒歩15分ほどでアクセスできます。園内を歩いていると、「これほど美しい日本庭園を無料で楽しめるなんて」と、素直に驚かされます。

かつてこの地には、熊本藩主・細川家の下屋敷がありました。ちなみに「肥後」とは、現在の熊本県にあたる旧国名。その名の通り、庭園には細川家ゆかりの歴史が色濃く息づいています。

肥後細川庭園

庭園のシンボルとなっているのが「松聲閣(しょうせいかく)」。明治20年頃に細川家の学問所として建てられた建物です。2階は庭園を一望できる展望所になっており、屋内でゆっくりと美しい景色を眺めることができます。

肥後細川庭園の休憩室「椿」

また、1階の休憩室には喫茶「椿」があり、お抹茶と細川家秘伝の銘菓を復元した「加勢以多(かせいた)」を味わえます。 庭園を目の前にしながら過ごすひとときは、まさに至福の時間です。

肥後細川庭園
東京都文京区目白台1-1-2
公式サイト

4. 大田黒公園(荻窪)

大田黒公園(荻窪)

JR・東京メトロ丸ノ内線「荻窪駅」から徒歩約10分。静かな住宅街にある「大田黒公園」は、音楽評論家・大田黒元雄氏の邸宅跡を整備してつくられた庭園です。

まず目を引くのが、正門からまっすぐに伸びるイチョウ並木。緑の季節も美しいですが、秋には黄金色に色づき、見事な景色が広がります。このイチョウ並木は約70メートル続いており、奥にある庭門との組み合わせも風情があります。

大田黒公園(荻窪)

大田黒公園は、池を中心に園路が巡る池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)。池のほとりにはあずまやが設けられ、落ち着いた趣を感じさせてくれます。

大田黒公園

園内には、どこか渓谷を訪れたかのような小川のせせらぎもあり、その流れは池へと注ぎ込みます。小川の上には青もみじが覆いかぶさるように広がり、新緑の季節は清々しく、秋には燃えるような紅葉が楽しめます。

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大田黒公園
杉並区荻窪3-33-12
公式サイト

5. ホテルニューオータニ日本庭園(赤坂見附)

ホテルニューオータニ日本庭園

東京メトロ「赤坂見附駅」から徒歩わずか3分。ラグジュアリーホテル「ホテルニューオータニ」の広大な敷地内には、約1万坪(東京ドームの3分の2ほど)もの日本庭園が広がっています。しかも、宿泊者でなくても無料で入園できるのが嬉しいですね。

ホテルニューオータニ日本庭園

この日本庭園の大きな見どころのひとつが、高さ6メートルを誇る「大滝」。まさに都心といえる場所に、これほど趣のある日本庭園があり、さらに迫力ある滝まで楽しめることに驚かされます。

滝は水しぶきが肌に触れるほど間近で眺めることができ、周辺には滝を正面に楽しめるようベンチも設置されています。流れ落ちる水の音を聞いていると、都会にいることを忘れてしまいそうです。

ホテルニューオータニ日本庭園

朱色の太鼓橋は、記念撮影の定番スポット。池に映り込む姿も美しく、思わず見入ってしまいます。池には多くの鯉が悠々と泳いでおり、日本庭園ならではの趣を添えています。なんと、その数は約350匹にもなるそうです。

ホテルニューオータニ・日本庭園
東京都千代田区紀尾井町4-1
公式サイト

6. グランドプリンスホテル高輪 日本庭園(品川)

グランドプリンスホテル高輪日本庭園

品川駅から徒歩約5分ほど。
「プリンス さくらタワー東京」「グランドプリンスホテル高輪」「グランドプリンスホテル新高輪」の3つのホテルに囲まれるように、日本庭園が広がっています。宿泊者でなくても、誰でも無料で入園できるのが嬉しいところです。

グランドプリンスホテル高輪

園内には、鐘楼と観音堂、そして山門の3つの港区指定有形文化財があります。なかでも、橋を渡った先に山門が佇む風景は印象的で、都心にいながら、どこか京都を旅しているような気分にさせてくれます。

春には、山門を覆うように桜が咲き誇り、季節ならではの美しい景色を楽しめるのも魅力のひとつです。

高輪廿六夜

そして夜になると、竹あかり総合プロデュース集団「CHIKAKEN」によるライトアップが施され、園内は幻想的な雰囲気に包まれます。

竹筒からこぼれるやわらかな光と、青いライトが織りなす空間は妖艶で、日中の静かな佇まいとはまったく異なる表情を見せてくれます。

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グランドプリンスホテル高輪・日本庭園
東京都港区高輪3-13-1
公式サイト

7. 向山庭園(豊島園)

向山庭園

あの「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京」のすぐそばに、静かで品のある日本庭園があります。それが「向山庭園」です。ひょうたん型の池を中心にした池泉回遊式の庭園で、面積は約2,579平方メートル。こぢんまりとした規模ながら、趣向を凝らした園内は、歩みを進めるたびに表情が変わり、奥行きのある景観を楽しめます。

開園は1980年(昭和55年)5月1日。1929〜1931年頃には、浜口内閣の鉄道大臣(現・国土交通大臣に相当)を務めた江木翼の邸宅があった場所と伝えられています。

向山庭園

園内でとくに印象的なのが、高低差を生かして設けられた水路です。上から下へと水が流れ、散策しながら水辺の存在をすぐそばに感じられます。

向山庭園

もっとも低い場所には池が広がり、その水面に向かって置かれたベンチは、まさに特等席。穏やかな景色を前に、時間の流れがゆるやかになるような、余韻のあるひとときを過ごせます。

向山庭園
東京都練馬区向山3-1-21
公式サイト

8. 旧安田庭園(両国)

旧安田庭園

JR総武線「両国駅」から徒歩約5分、都営大江戸線「両国駅」からも徒歩7分ほど。相撲の街・両国にある「旧安田庭園」は、池を中心にした日本庭園で、東京都指定名勝にも指定されています。

池のほとりに腰を下ろし、水面を眺めながら過ごす時間は、都会にいることを忘れてしまいそうになるほど。視線の先に広がる水景が、気持ちをゆっくりと整えてくれます。

旧安田庭園

旧安田庭園の大きな特徴のひとつが、人工的に潮入りを再現している点です。もともとは「潮入り池泉回遊式庭園」として造られ、かつては隅田川の水を引き入れ、潮の満ち引きを庭園の景観に取り込んでいました。

水位調整のための水門は昭和40年ごろに閉じられましたが、現在はポンプを使って潮の干満を再現しています。水位の変化によって庭園の表情が変わるという、都内でも珍しい仕掛けを持つ庭園です。

写真のように沢飛び石がはっきり姿を見せることもあれば、水位によって水に隠れてしまうこともあり、その移ろいを眺められるのも、この庭園ならではの魅力です。

旧安田庭園

なかでも絵になる景色が、どこか中国庭園を思わせる石造りの太鼓橋です。とくに紅葉の季節には、色づいた木々に包まれ、いっそう情緒ある風景を楽しめます。

旧安田庭園
東京都墨田区横網1-12-1
公式サイト

9. 等々力渓谷日本庭園(等々力)

等々力渓谷日本庭園

東京23区唯一の渓谷である「等々力渓谷」に、日本庭園があることをご存知でしょうか。庭園は、渓谷の南側にひっそりと広がっています。

面積こそ大きくはありませんが、高低差を生かした造りで、歩くたびに変化に富んだ景色を楽しめます。

等々力渓谷日本庭園

園内に足を踏み入れると、まず目の前に竹林が飛び込んできて、思わず「わぁ」と声をあげたくなるような光景に包まれます。

竹林の間を縫うように石段が続き、立ち止まって振り返ると、「かぶき門」と石段、そして竹林が重なり合い、一枚の絵のような美しさ。思わず写真を撮りたくなってしまいます。

等々力渓谷日本庭園

庭園は、かぶき門から入ると上へ上へと登っていく造りで、正門から入ると逆に下っていく構造になっています。その頂点には書院があり、休憩所として開放されています。

セルフサービスのお水やお茶も用意されており、縁側に腰を下ろして一息つけば、自然と気持ちが落ち着いていきます。

この庭園を手がけたのは、昭和を代表する作庭家・飯田十基。1973年(昭和48年)に整備されました。「雑木の庭」の提唱者としても知られる飯田氏は、自然の姿をそのまま生かす庭づくりを得意とし、つくり込みすぎない自然な美しさが、この場所にも息づいています。

等々力渓谷日本庭園・書院
東京都世田谷区野毛1丁目15-15

10. 甘泉園公園(早稲田)

甘泉園公園

早稲田にある「甘泉園公園」は、朝7時から開園しています。朝の時間を持て余しているときや、都会の喧騒から離れて過ごしたい朝に、ふらりと立ち寄りたくなる場所です。

面積は約14,235平方メートルと決して大規模ではありませんが、手入れが行き届いており、美しい景観が保たれています。人も比較的少なく、穴場的な存在で、ゆっくり散策するにはぴったりです。

甘泉園公園

園内は、上池と下池を中心とした池泉回遊式庭園。池のまわりをぐるりと歩けるようになっていて、進むごとに変化のある景色を楽しめます。

上池と下池の境目には飛び石が設けられ、水面を間近に感じながら池を渡ることができます。上池から下池へと水が流れ落ちる様子を眺めていると、せせらぎの音が心地よく、時間を忘れてしまいそうになります。

甘泉園公園

甘泉園公園は、四季を通じて表情が変わるのも魅力です。春には桜やつつじ、初夏にはあじさい、秋には紅葉、冬には雪吊りと、小規模ながらも季節ごとの楽しみがあります。訪れるたびに、違った景色に出会えるのが嬉しいところです。

園内には庭園を見晴らせる小高い丘もあり、多少のアップダウンがあります。そのため、歩きやすい靴で訪れるのがおすすめです。

ベンチが数ヵ所に設けられているほか、大きめの東屋もあり、木陰でひと息つきながら景色を眺めるのも心地よい時間。緑に囲まれた空間で、のんびりと過ごすことができます。

甘泉園公園
東京都新宿区西早稲田3-5
公式サイト

11. 目白庭園(目白)

目白庭園

目白駅から徒歩5分。池袋駅からも徒歩圏内という便利な立地に「目白庭園」はあります。賑やかな池袋から歩いて行ける距離に、こんなにも落ち着いた空気が流れる庭園が広がっていることに、少し驚かされます。

こぢんまりとした庭園ではありますが、都会の喧騒を離れてゆっくり過ごすにはぴったりの場所です。

目白庭園

目白庭園は、庭の中心に大きな池を配した池泉回遊式庭園。池のほとりには、石垣の上に建つ数寄屋建築「赤鳥庵」があり、その前には休憩用のベンチが設けられています。

ベンチからは池が間近に広がり、水辺の景色をゆったりと眺めることができる特等席。時間帯によっては日差しを避けることもでき、腰を下ろして過ごすのに心地よい場所です。

目白庭園

広さ約500平方メートルの池には鯉が泳ぎ、訪れた日には鴨の姿も見られました。

そして、池に突き出すように建てられた六角形の「浮き見堂」は、目白庭園を代表する景観のひとつ。水面に映る姿も美しく、つい写真を撮りたくなってしまいます。

目白庭園
東京都豊島区目白3-20-18
公式サイト

12. 鶴川香山園(鶴川)

鶴川香山園

小田急線「鶴川駅」から徒歩4分ほどの場所にある「鶴川香山園」は、2025年1月25日に開園した新しい日本庭園です。

この場所は、1794年(寛政6年)に創設された神蔵灸治所(しんぞうきゅうじしょ)、いわゆる“お灸点”として、長く地元に親しまれてきました。2015年まで私設庭園・美術館として運営されていた時期もありますが、その後、町田市が敷地を譲り受け、公共施設として再整備されて開園しています。

鶴川香山園

庭園自体はコンパクトながら、枯山水も整えられ、見応えのある造り。青々とした芝生が印象的で、緑に囲まれた園内には、落ち着いた時間が流れています。

鶴川香山園

敷地内には、1906年(明治39年)に建てられた「瑞香殿(ずいこうでん)」も残されています。現在は、地元・町田市の旬の地場食材を生かしたレストラン「桜梅桃李」として活用されており、本格的な和食ランチやカフェメニューを楽しめるのも魅力です。

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鶴川香山園
東京都町田市能ヶ谷2-17
公式サイト

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