綺麗〜!と思わずうっとりする東京のお寺8選

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堀之内妙法寺

東京には、美しさに思わず足を止めたくなるお寺が数多くあります。これまでさまざまなお寺を巡ってきたなかで、とりわけ「綺麗…!」とうっとりしたお寺を厳選してご紹介します。

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東京を拠点に、明日がちょっと楽しみになるおでかけや日々のヒントを発信。Amazon Kindle総合2位・エッセイ部門1位『わたしをご機嫌にする休日』をはじめ、7冊を出版。Yahoo!ニュース エキスパートでは「おでかけ記事」を執筆中です。JFN系全国28局ネット番組に出演し、東京の穴場スポット紹介も。

目次

1. 豪徳寺(宮の坂)

招き猫に圧倒される豪徳寺

お寺と同じ名前をもつ小田急線「豪徳寺駅」からは徒歩約15分ですが、実際の最寄り駅は東急世田谷線「宮の坂駅」で、こちらからはわずか徒歩5分ほど。

豪徳寺といえば、まず思い浮かぶのが招き猫。招福殿のまわりにずらりと並ぶ無数の招き猫は、今や国内外に広く知られ、境内では外国人観光客の姿を目にすることも多いです。

招き猫に圧倒される豪徳寺

しかし、このお寺の魅力は招き猫だけではありません。広々とした境内は細やかに手入れが施され美しく、思わず見惚れてしまう建物も並んでいます。

まず目に入るのが、山門へと続く参道の松並木です。すっと伸びた松が並ぶ参道は、いつ訪れても端正な雰囲気があり、境内へ向かう気持ちを自然と整えてくれます。

豪徳寺

とくに情緒ある景観で楽しませてくれるのが「仏殿」です。紅葉に包まれる季節はもちろん、青もみじの頃も凛とした気配をまとい、訪れる人を静かに迎えてくれます。現在の仏殿は1677年(延宝5年)の建立で、世田谷区の有形文化財にも指定されている歴史的建造物です。

豪徳寺
東京都世田谷区豪徳寺2-24-7
公式サイト

2. 乗蓮寺(下赤塚)

東京大仏・乗蓮寺

実は東京、それも23区内に、堂々たる「東京大仏」が鎮座しているのをご存じでしょうか。高さは約12.5メートル(座高8.2メートル、蓮台2.3メートル、基壇地上2メートル・地下1メートル)という大きさで、とてもやさしい表情をしていらっしゃいます。

鎌倉や奈良に比べると知名度こそ高くありませんが、かつては青銅製の坐像として、奈良・鎌倉に次ぐ「全国3番目の大きさ」を誇っていました。

東京大仏・乗蓮寺

この東京大仏を有する乗蓮寺は、応永年間(1394〜1428年)に開かれた浄土宗の寺院です。もともとは板橋区仲宿にありましたが、国道17号線の拡幅や環状道路の建設計画の影響を受け、1971年(昭和46年)に赤塚城二の丸跡へ移転しました。

訪れてまず驚くのは、境内の清々しさです。広さがありながら静けさが保たれていて、ゆっくりと散策するだけで心が落ち着きます。

東京大仏・乗蓮寺
弁天堂と寿豊殿

境内には見どころも多く、山門をくぐって右手には朱色が目を引く小さな福寿観音堂、その隣には鐘楼があります。また、境内には多くの石仏が点在し、そのうち8体は、かつて伊勢津藩主・藤堂家が江戸の染井に構えていた屋敷に安置されていた由緒あるもので、現在は板橋区の登録有形文化財として受け継がれています。

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東京大仏 乗蓮寺
東京都板橋区赤塚5-28-3
公式サイト

3. 観泉寺(上井草)

観泉寺

杉並区にある「観泉寺」はとても綺麗に整えられた寺院で、私も何度も足を運んでいます。まず心を奪われるのは、瓦塀に囲まれた景観です。閑静な住宅街の中にありながら、この一角だけふっと空気が変わり、歩いていると京都の寺町を思わせる落ち着いた雰囲気があります。

観泉寺(上井草)

境内には、小規模ながら手入れの行き届いた池泉鑑賞式庭園があり、水面に写る樹々の姿もとても美しく見入ってしまいます。庭園内に立ち入ることはできませんが、その分、静かな景観が守られているのだと思います。

観泉寺は、今川家ゆかりのお寺です。今川家といえば、桶狭間の戦いで織田信長に敗れた、今川義元がよく知られています。境内には今川家代々の墓があり東京都の旧跡に指定されています。

観泉寺

紅葉の季節に訪れると、その魅力はいっそう際立ちます。本堂に向かって右手には真紅のもみじ、左手には大きな黄金色のイチョウがそびえ、絵画のような美しさです。境内全体が丁寧に整備されていることは、写真からも伝わるのではないでしょうか。

観泉寺
東京都杉並区今川2-16-1
公式サイト

4. 九品仏浄真寺(九品仏)

九品仏浄真寺

東京ドーム約2.5個分とも言われる広大な敷地をもつ「九品仏浄真寺」は、東急大井町線「九品仏駅」から徒歩約5分。東急東横線の「自由が丘駅」からも徒歩15分ほどで歩ける距離にあり、都会の住宅街の中にこれほどの規模の寺院があることに驚かされます。

九品仏浄真寺は、延宝6年(1678年)、浄土宗の僧・ 珂碩上人(かせきしょうにん) が、当地の旧城跡である奥沢城跡の地を賜り創建したと伝えられています。

写真撮影スポットとしてとくに人気なのが、境内から総門へと続く参道の風景です。石畳の道の両側には朱色の灯籠が並び、青もみじが茂る光景が広がります。秋に訪れると、燃えるような紅葉と黄色いイチョウの絨毯が参道を彩り、寺の静謐な雰囲気と相まって印象的な景色になります。

九品仏浄真寺の枯山水庭園

境内には美しい枯山水の庭園もあります。本堂に上がらなくても見ることはできますが、本堂に上がって眺める庭園の景色はまた格別で、訪れた際にはぜひ本堂からの眺望も楽しみたいところ。実際に、庭園を望む場所には訪問者が寛げるベンチが設けられていることもあり、ゆっくりと景色を味わえます。

九品仏浄真寺の山門

また、寛政5年(1793年)に建立された山門は、重厚で落ち着いた佇まいを見せています。その造形はどこか京都・南禅寺の三門を思わせる風格があります。

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九品仏浄真寺
東京都世田谷区奥沢7-41-3
公式サイト

5. 道場寺(石神井公園)

道場寺

石神井公園のすぐそばにある「道場寺」は、応安5年(1372年)に創建されたと伝わる歴史ある寺院です。周辺を領していた豊島氏の菩提寺として整えられたとされ、石神井エリアの中でも特に古い歴史をもつ寺として知られています。

境内は広大ではないものの、丁寧に手入れが行き届き、とても落ち着いた雰囲気があります。伽藍の建築には日本の古典様式が取り入れられており、たとえば山門は室町時代の様式を基調にした意匠が特徴で、端正な姿が目を引きます。

道場寺

ビロードのような苔むす絨毯も印象的で、ただただ静かに散歩を楽しみたくなります。

道場寺

また、寺を囲む瓦塀の向こうに三重塔の屋根が少しだけ見える景色があり、まるで古都を散策しているような気分にさせてくれます。

静かに歩くほどに味わいが深まる、小さく美しい寺院です。

道場寺
東京都練馬区石神井台1-16-7

6. 三宝寺(石神井公園)

三宝寺

道場寺のすぐ隣にある「三宝寺」もまた、美しく整えられた境内が広がる寺院です。1394年(応永元年)に、鎌倉・大楽寺の僧・幸尊法印によって創建されたと伝わり、石神井城を拠点とした豊島氏ゆかりの寺として歴史に名を残しています。

山門は江戸後期の1827年(文政10年)に建てられたもので、練馬区の登録有形文化財に指定されています。

三宝寺

広い境内には見どころが多く、その一つが「四国八十八ヶ所お砂踏霊場」です。まるで本当に八十八ヶ所を巡っているかのように参拝路が整備されており、四国八十八ヶ所を模した札所をひとつ一つお参りできるようになっています。

そのお砂踏み霊場のそばには、大師堂が静かに建っています。木々に囲まれた一角は、都内とは思えないほど落ち着いた空気が漂い、まるで山寺に足を運んだような感覚になります。四国八十八ヶ所は、弘法大師(空海)が四国各地で修行したと伝わる足跡をたどる霊場ですが、大師堂には弘法大師像の姿もあります。

三宝寺

境内には複数の堂宇がありますが、ひときわ目を引くのが根本大塔です。上層が円形、下層が方形という多宝塔特有の伝統的構造をもち、1996年(平成8年)に建立された高さ約17mの木造建築。落ち着いた色調で、周囲の緑とよく調和しながら堂々とした存在感を放っています。

三宝寺
東京都練馬区石神井台1-15-6

7. 堀之内妙法寺(新高円寺)

堀之内妙法寺

杉並区の住宅街に広がる「堀之内妙法寺」は、江戸時代から“やくよけのおそっさま”として親しまれてきた寺院です。境内に一歩足を踏み入れると、お香の香りがふわりと漂い、清々しい空気に満ちています。

祖師堂や本堂などの堂宇が回廊でつながる配置は、つい立ち止まって眺めてしまいたくなる美しさです。

堀之内妙法寺
本堂

こちらの写真は本堂です。じつは山門から境内にはいって正面にある大きなお堂は本堂ではなく、厄除けの祖師像を祀る「祖師堂」と呼ばれる建物。

本堂はそこから少し奥へ進んだ場所にあり、静かに佇む姿が印象的です。1819年(文政2年)に建てられたもので、周囲の木々との調和が美しいです。

堀之内妙法寺

山門(仁王門)とは反対側に位置する裏門へと続く参道には石燈籠が規則的に並び、こちらも妙法寺を象徴する景観のひとつです。初夏には、こちらの参道が色あざやかなあじさいで彩られます。

堀之内妙法寺
東京都杉並区堀ノ内3-48-8
公式サイト

8. 薬王寺(青梅)

青梅市「薬王寺」

青梅市今井にひっそりと佇む「七国山 薬王寺」は、約700年の歴史をもつ真言宗豊山派の古刹です。境内には広大なつつじ園が広がり、小高い山に隙間なくつづじが咲く絶景を楽しめます。

青梅市「薬王寺」

つつじの間を縫うように整備されている道は、「四国八十八ヶ所霊場のお砂踏み道」になっています。四国霊場八十八札所から授かった境内の砂を石畳の下に埋納しているそう。四国八十八ヶ所を巡るのが難しい方でも、こちらを歩けば同様のご利益がいただけるとされます。

青梅市「薬王寺」

本尊・薬師如来を安置する本堂「報恩院」は、装飾を抑えた佇まいがかえって厳かな空気を際立たせています。境内は終始静かで、心から癒される落ち着いた雰囲気。つつじが見頃を迎える季節でも入山料が不要で楽しめるのも、この寺の魅力のひとつです。

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薬王寺
東京都青梅市今井1-2520
公式サイト

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