東京の日本庭園おすすめ10選!観光や散歩にぴったりのスポットまとめ

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六義園

東京でこれまでに30か所近い日本庭園を巡ってきた、おでかけライターの私。そのなかでも「ここはぜひ訪れてほしい!」と胸を張っておすすめできる庭園を、厳選してご紹介します。

これまでに訪れたどの庭園もそれぞれに魅力があり、本当は全部ご案内したいくらいなのですが……。「どこへ行こうかな」と迷っている方の参考になるよう、あえていくつかをピックアップしました。

oto

この記事を書いた人:oto

東京を拠点に、明日がちょっと楽しみになるおでかけや日々のヒントを発信。電子書籍『わたしをご機嫌にする休日』(Amazon Kindle総合ランキング2位)をはじめ、6冊を出版。Yahoo!ニュース エキスパートでは「おでかけ記事」を執筆中です。JFN系全国28局ネット「レコレール」に出演し、東京の穴場スポット紹介も。

目次

1. 気軽に散歩するのにちょうどいい!殿ヶ谷戸庭園(国分寺)

殿ヶ谷戸庭園
紅葉亭

最寄駅から徒歩わずか2分。アクセス抜群の場所に広がるのが、国の名勝「殿ヶ谷戸庭園(とのがやとていえん)」です。三菱財閥のオーナー・岩崎彦弥太(いわさきひこやた)の別邸として造られた庭園で、落ち着いた佇まいの中に格調の高さが漂います。

面積は約2万1,000平方メートルで、東京ドームの約0.4個分。決して広大ではありませんが、高低差のある地形を巧みに活かした庭園は変化に富み、歩くたびに新しい景色に出会え、見応えがあります。

なかでも庭園随一の見どころが「紅葉亭」。秋には一面を彩る紅葉が有名ですが、初夏の青もみじもみずみずしく、美しさは引けを取りません。

殿ヶ谷戸庭園

園内は約10メートルの高低差があり、最も低い場所にある「次郎弁天池」には湧水が流れ込みます。池の水は澄んでいて、近くでのぞき込むと透明度に驚かされます。

殿ヶ谷戸庭園

一方で、青々とした芝生広場は開放感たっぷり。ここには旧岩崎家の別邸が建ち、そのほか萩のトンネルや藤棚も設けられています。藤は4月下旬、萩は9月中旬ごろに見頃を迎えるとのこと。

紅葉シーズンを除けば、東京23区にある日本庭園に比べて混雑が少ないのも嬉しいところ。規模が大きすぎないので、気軽に立ち寄って日本庭園の趣を存分に楽しめるところがおすすめポイントです。

殿ヶ谷戸庭園
東京都国分寺市南町2-16
公式サイト

2. 池の周りを歩きながら景色を楽しむ!六義園(駒込)

六義園

元禄時代に、徳川綱吉の側用人だった柳澤吉保(やなぎさわよしやす)によって造られた回遊式築山泉水庭園「六義園(りくぎえん)」。その広さは87,809.41平方メートル、東京ドーム約2個分にあたるスケールを誇ります。

国の特別名勝に指定されている園内は、「大泉水(だいせんすい)」と呼ばれる大きな池を中心に、小高い築山や優美な橋、曲がりくねる小道、茶屋などが巧みに配置され、歩くほどに風景が移り変わるのが魅力です。

池のまわりをただのんびり散策するだけで、自然と心が洗われるような感覚に。休日にリフレッシュしたいときに、ふらりと訪れたくなる場所です。

六義園

さらに、六義園といえば迫力あるツツジ。東京にある日本庭園のなかでも、これほど壮大なツツジを堪能できるのはここならではでしょう。見頃の季節には、標高35mの「藤代峠(ふじしろとうげ)」の斜面一面が色鮮やかに染まり、圧倒的な美しさに包まれます。

六義園

そして、六義園をおすすめしたい理由のひとつが、風情を感じる数寄屋風の「吹上茶屋」。目の前に広がる「大泉水」を眺めながらいただく抹茶と上生菓子は格別で、慌ただしい日常をしばし忘れさせてくれる至福の時間です。

東京にはお抹茶をいただける日本庭園がいくつかありますが、その中でもとくに、美しい景色とともに味わえる特別なひとときを提供してくれる庭園ではないでしょうか。

六義園
東京都文京区本駒込6-16-3
公式サイト

3. 特別史跡と特別名勝の二重指定!小石川後楽園(水道橋)

小石川後楽園
小石川後楽園の中心となる大きな池「大泉水」

国の特別史跡、そして特別名勝にも指定されている「小石川後楽園(こいしかわこうらくえん)」。特別史跡と特別名勝の二重指定を受けている場所は全国でもわずか9ヶ所しかなく、その希少性からも一度は訪れる価値のある庭園です。

小石川後楽園は、江戸時代に水戸徳川家の江戸屋敷内に造られたもので、水戸黄門として知られる二代藩主・光圀(みつくに)の代に完成しました。水戸黄門として知られる人物が関わった庭園と聞くだけで、ぐっと親しみやすくなるのではないでしょうか。

小石川後楽園

この庭園のユニークな特徴が、日本や中国の景勝地を模した景観が随所にみられること。たとえば、上の写真は京都・嵐山にある「渡月橋」を模しており、そのほかにも京都・東福寺にある「通天橋」や、中国にある名勝「西湖」にかかる堰堤を模したものなど、園内を歩きながら、さまざまな名所を巡っている気分になります。

小石川後楽園

また、入園口は東門と西門の2か所で、西門の近くには「涵徳亭(かんとくてい)」があります。小石川後楽園が造られた頃に建てられたもので、当時は茅葺の茶室にガラスの障子を使っていたそう。現在のものは1986年(昭和61年)に再建された四代目になります。

この涵徳亭は現在「びいどろ茶寮」として利用されており、ランチや喫茶を楽しめるスペースに。喫茶では、お抹茶や徳川将軍珈琲とともに和菓子をいただくことができ、庭園散策の合間にひと息つくのにぴったりです。

小石川後楽園
東京都文京区後楽1-6-6
公式サイト

4. 東京ドーム5個分以上でとにかく広い!浜離宮恩賜庭園(汐留)

浜離宮恩賜庭園

東京都内で最も大きな大名庭園である「浜離宮恩賜庭園」。その面積は約25万平方メートルで、東京ドーム5個分以上というスケールを誇ります。都心にありながら、この広さと静けさを感じられる場所は貴重で、東京に住む方にとっても、気軽に観光気分を味わえる庭園です。

また、浜離宮恩賜庭園は「小石川後楽園」と同じく、国の特別史跡と特別名勝の二重指定を受けている希少なスポットでもあります。

見どころの一つが、小高い丘になっている「富士見山」。かつては富士山が見えたそうですが、現在は見えません。しかし庭園を眺める絶好のスポットで、「潮入の池」や「中島の御茶屋」をまるごと見渡すことができます。

浜離宮恩賜庭園「中島の御茶屋」
浜離宮恩賜庭園「中島の御茶屋」

この庭園を象徴する景観が、海水を引き入れた「潮入の池」。東京湾の水位にあわせて、水門を閉じたり開いたりして調整をしており、景色が変わるのが面白いです。

その「潮入の池」に浮かぶように建つのが「中島の御茶屋」。風情のある木の橋を渡って辿り着く道のりに心が弾み、池の景色を間近に感じながらお抹茶と和菓子をいただけば、まさに至福のひとときです。

浜離宮恩賜庭園
松の御茶屋

浜離宮恩賜庭園は、四季折々の花が楽しめるのも見どころのひとつ。初春には梅林がピンク色に彩られ、近くの花畑では黄色い菜の花があたり一面に咲き誇ります。そのあと桜の季節がやってきて、初夏になると花菖蒲やあじさい、そして秋にはコスモスが咲き乱れます。

浜離宮恩賜庭園
東京都中央区浜離宮庭園1-1
公式サイト

5. まるで京都を訪れているよう!昭和記念公園 日本庭園(立川)

昭和記念公園 日本庭園

総面積約180ヘクタールのうち、169.4ヘクタールが一般公開されている「昭和記念公園」。その広さはなんと東京ドーム約36個分にもおよび、まさに圧倒的なスケールを誇ります。そんな広大な公園の一角に、日本庭園があるのをご存じでしょうか。

園内の北側に広がる日本庭園は約59,000平方メートルの大きさで、日本庭園だけでも東京ドーム約1.3個分あります。

昭和記念公園 日本庭園

大きな池を中心とした池泉回遊式の日本庭園で、晩秋に訪れると、池周りが燃えるような紅葉で彩られます。東京にいながら、秋の京都を旅行しているような気分に。

昭和記念公園 日本庭園

園内には、竹林を借景とした「盆栽苑」もあります。ここは日本初の国営盆栽苑で、四季に合わせて盆栽が入れ替えられ、訪れるたびにその時季ならではの趣を楽しむことができます。秋には盆栽も紅葉していました。

「盆栽苑」の近くには、抹茶をいただくことができる「歓楓亭」もあり、静かな時間を過ごすのにぴったり。とくに晩秋の季節に「どこか日本庭園を訪れたい」と思ったとき、この昭和記念公園の日本庭園は心からおすすめしたい場所です。

国営昭和記念公園
東京都立川市緑町3173
公式サイト

6. 無料で入園できるなんて!皇居東御苑 二の丸庭園(大手町)

皇居東御苑
天守台跡

東京駅からも歩いてアクセスできる立地の良さから、国内外の観光客に人気の「皇居東御苑」。ここはかつて江戸城の本丸や二の丸があった場所で、現在は一般公開されており、入園は無料です。広さは約21万平方メートル、東京ドームにして約4〜5個分の広さを誇ります。

見どころの一つとなっているのが天守台跡。圧倒されるような大きさで、石垣が積まれた高台に立つと、周囲を見渡す爽快な景色が広がります。

皇居東御苑

そして、広大な敷地の一角にあるのが「二の丸庭園」。池を中心に散策路が巡らされた池泉回遊式庭園で、池のまわりには四季折々の花木が植えられ、訪れるたびに違った景色を楽しめます。

皇居東御苑
諏訪の茶屋

二の丸庭園のすぐそばに佇む「諏訪の茶屋」は、1912年(明治45年)に、皇居内の吹上地区に建てられたものだそう。その場所に江戸時代に諏訪社があったことに由来します。1968年(昭和43年)に現在の場所に移築され、今に残されています。

中に入ることはできませんが、外から眺めるだけでも十分に見ごたえがあります。松や庭石、砂紋と調和した数寄屋造りの佇まいは、見惚れてしまいます。

皇居東御苑
東京都千代田区千代田1
公式サイト

7. イチョウ並木やもみじが美しい!大田黒公園(荻窪)

大田黒公園

荻窪駅から徒歩で約10分の場所にある「大田黒公園」は、フランスやロシアの音楽をいち早く紹介した、日本で草分け的存在の音楽評論家である大田黒元雄氏の屋敷跡に広がる日本庭園です。

これまでに紹介してきた日本庭園と比べると、「大田黒公園」はこぢんまりとしています。しかし、何度も訪れたくなる魅力があり、その一つが正門からまっすぐに伸びるイチョウ並木です。

白い御影石に沿って27本のイチョウが立ち並び、風情ある景色をつくり出しています。秋には黄金色に染まり、その季節ならではの美しい眺めを楽しめます。

大田黒公園

園内に入ると涼やかな小川が流れ、やがて池へと注ぎ込みます。紅葉の名所としても知られる「大田黒公園」には60本以上のもみじが植えられており、春から秋にかけては青もみじが爽やかで、秋には紅葉が園内を彩ります。

大田黒公園

芝生に入ることはできませんが、園内の大部分を芝生広場が占めています。きれいに整備された芝生と背の高い松が織りなす光景は、思わず見入ってしまう美しさです。

中央線を利用することがあれば、荻窪駅で途中下車をして「大田黒公園」に寄り道し、のんびり散歩を楽しんでみてはいかがでしょうか。近くには「角川庭園」や「荻外荘」もあり、あわせて訪れるのもおすすめです。

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大田黒公園
東京都杉並区荻窪3-33-12
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8. 小規模ながら美しい景観!旧安田庭園(両国)

旧安田庭園

相撲の街・両国に「旧安田庭園」はあります。「旧安田庭園」という名は、明治末期に庭園を所有・整備した安田財閥の創始者・安田善次郎に由来します。

その面積は14,241.92平方メートルで、東京ドーム約0.3個分ほどの広さ。園内の大部分を占めているのが「心字池」。その名のとおり、“心”の字をかたどった池で、池のまわりを歩きながら、移ろいゆく景色を眺めるのはとても心地よいひとときです。

旧安田庭園

この庭園の大きな特徴が、人工的に再現された「潮入り」。もともとは隅田川の水を引き入れて潮の満ち引きを映し出す「潮入り池泉回遊式庭園」として造られました。現在はポンプを用いて水位を調整し、かつての風情を感じさせてくれます。水位の変化によって景色が少しずつ変わるのも見どころです。

旧安田庭園

石造りの特徴的な太鼓橋も、庭園を象徴する景観の一つ。春にはツツジに彩られ、秋には紅葉に覆われる姿がとても美しいと評判です。

さて、嬉しいことに、「旧安田庭園」は無料で入園することができます。庭園自体は小さめですが、すぐ近くにある「横網町公園」にも小さな日本庭園があるので、あわせて訪れてみてもいいでしょう。

旧安田庭園
東京都墨田区横網1-12-1

9. 都心に高さ6メートルの滝が!ホテルニューオータニ・日本庭園(赤坂見附)

ホテルニューオータニ日本庭園

迎賓館のすぐ近くに建つ「ホテルニューオータニ」。永田町駅、赤坂見附駅、四ツ谷駅から歩いてアクセスできる、まさに都心のど真ん中にあるホテルです。1964年東京オリンピック開催にむけて、海外からのゲストを迎えるために国の要請を受けて建てられました。

その敷地内には、約1万坪(東京ドームの約3分の2)の広さを誇る日本庭園が広がり、宿泊客でなくても無料で散策することができます。

ホテルニューオータニ日本庭園

最大の見どころは、高さ6メートルの大滝。目の前に立つと水音と迫力に圧倒され、都心にいることを忘れてしまうほど。庭園の高低差を巧みに活かした景観で、滝壺では色鮮やかな錦鯉が優雅に泳ぎ、風雅な時間を演出しています。

ホテルニューオータニの日本庭園
庭園の背後にあるのは「ガーデンタワー」

園内には見事な枯山水も広がっています。白砂を水面に見立て、石や松で山並みを表現するなど、日本ならではの侘び寂びの美を感じさせてくれます。

ホテルニューオータニ・日本庭園
東京都千代田区紀尾井町4-1
公式サイト

10. 竹アートが映える!グランドプリンスホテル高輪 日本庭園(品川)

グランドプリンスホテル高輪日本庭園

「プリンス さくらタワー東京」「グランドプリンスホテル高輪」「グランドプリンスホテル新高輪」の3つのホテルに囲まれるようにして、約20,000平方メートルの日本庭園が広がっています。宿泊客でなくても、誰でも無料で散策することができます。

園内は隅々まできれいに整備され、青々とした木々と池、そして竹アートが織りなす景色が魅力的。日本庭園ならではの趣を感じながらも、どこか現代的でモダンな雰囲気が漂います。

グランドプリンスホテル高輪

園内には3つの港区指定有形文化財があるのも見どころ。橋を渡った先に山門がそびえる景色は、京都を旅しているような気分にさせてくれ、その先には朱色の観音堂があります。

ホテルのラグジュアリーな雰囲気とともに楽しむ庭園散歩は、都心にいながら非日常のひとときを味わわせてくれます。

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「グランドプリンスホテル高輪」日本庭園は宿泊しなくても無料で入園できる 品川とは思えない静けさと豊かな緑に癒される、グランドプリンスホテル高輪の日本庭園。宿泊していなくても無料で入園できます。

グランドプリンスホテル高輪・日本庭園
東京都港区高輪3-13-1
公式サイト

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