東京でも真っ白なそばの花畑が見られると知り、足を運んだのは町田市。「七国山ファーマーズセンター」のすぐ近くに、その花畑は広がっています。
ちなみに、七国山ファーマーズセンターをはじめ、周辺の9つの施設を総称して「町田薬師池公園 四季彩の杜」と呼びます。四季折々の花や自然に親しめるエリアで、休日のおでかけにぴったりの場所です。
今回は、そばの花畑を楽しんだあとは、「町田薬師池公園 四季彩の杜」にあるいくつかの施設にも立ち寄ったので、その様子もあわせてご紹介したいと思います。
それではいよいよ、そばの花畑へ!小田急線「鶴川駅」で降り、北口のほうにあるバス停からバスに乗って向かいました。
「薬師ヶ丘」バス停で下車し、そばの花畑へ向かう

小田急線「町田駅」からもバスでアクセスできますが、今回は「鶴川駅」から乗車しました。バスに揺られること約15分、「薬師ヶ丘」バス停で下車します。
ここからはGoogleマップを頼りに、そばの花畑へと歩き始めました。

バス停からは徒歩でおよそ10分。道中では、町田ぼたん園の横に続く坂道をのぼっていきます。道沿いに並ぶ屋根塀がどこか趣を感じさせ、散策気分をいっそう高めてくれます。

えんやこらと坂道をのぼりきると、ついに「そば畑」を指し示す矢印が書かれた看板が!ここまでくればもう少しです。
ついに目の前に、真っ白なそばの花畑が広がる!

じゃーん!目の前に広がるのは、小さな白い花を無数に咲かせたそばの花畑。その光景には思わず感動します。畑は約1.2ヘクタールもの広さがあり、地元農家でつくる「七国山ふれあいの里組合」によって管理され、農のある風景を守る取り組みの一環として大切に栽培されています。

こんなふうに、道路沿いにそばの花畑が広がっています。

直径わずか5ミリほどの小さな花が、茎の先に集まって可憐に咲いています。思わず目を凝らしたくなるほど繊細で、小さな花のひとつひとつが集まって、この白い花畑をつくり出しているのです。

すぐ隣には「七国山ファーマーズセンター」があるので、こちらを目指して訪れるのがいいでしょう。「七国山ファーマーズセンター」は、七国山周辺を散策する際の休憩所としても利用でき、ありがたいことにトイレも利用できます。

七国山ファーマーズセンターを囲むように、背の高いコスモスが咲いていました。
町田ぼたん園を見学

そばの花畑はゆっくり眺めてもあっという間に見終えてしまうので、来た道を戻り「町田薬師池公園 四季彩の杜」の施設のひとつである「町田ぼたん園」に立ち寄ってみました。
ぼたんのシーズン以外は無料で入園できます。

正面入口を入ると、目に飛び込んでくるのが、ぼたんの季節には色とりどりの花が咲いているのであろう、ぼたん園です。約330品種、約1,700株のぼたんがあるそうです。

イギリス式庭園を思わせる、幾何学的な模様の庭園もあります。

園内は高低差があり、高台からは先ほどの幾何学模様の庭園をのぞむ、見晴らしのいい景色が広がります。

園内にはいくつかあずまやもあります。もみじが色づきはじめたのでしょうか……紅葉の季節が楽しみになります。
薬師池公園をぐるりと散策

町田ぼたん園を見学したあとは、バス停のほうまで戻り、「町田薬師池公園 四季彩の杜」のメインとなる薬師池公園へ。
池にタイコ橋が架かる景色が趣があり、しばらくぼーっと眺めてしまいました。こちらもやはり、秋には色づいた木々とタイコ橋の織りなす景色が美しいようです。

タイコ橋はとても広々としていて、歩いているとまるで古都を訪れたような気分になります。橋の上からは、大きく広がる池を見渡すことができ、爽やかな眺めを存分に楽しめます。

園内には2棟の古民家が移築復原されており、その一つである「旧永井家住宅」の裏の斜面には、赤と白の彼岸花が群生していました。
ちなみに「旧永井家住宅」は国の重要文化財に指定されています。

さらに奥へ進むと、古民家を見下ろす景色が広がり、なんとも風情があり美しい眺めです。

茅葺き屋根の古民家と、青々とした竹林、そして彼岸花の織りなす光景は、時代を遡ったようです。なんだか懐かしさが込み上げてきます。

もう一つの古民家「旧荻野家住宅」。江戸時代末期に医院兼住居として建てられた建物だそうです。農村家屋ながら町家の特徴を持ち、繊細な意匠が家格の高さを示す、貴重な医家の住宅とのこと。

旧荻野家住宅のすぐ近くにある「薬医門」は、もともと大和市の瀬沼家にあったもの。

薬医門のそばには「やくし茶屋」があります。公園を眺めながら、お団子とか、いそべ焼きなどをいただいてのんびりしたいところでしたが……このあと向かう予定の「西園」にあるカフェでランチをしようと思っていたので、今回は利用しませんでした。

薬師池公園をぐるりと散策したあと、西園へ向かうために園内の案内板を頼りに進むと、「野津田薬師堂」に出会いました。町田薬師池公園の名の由来にもなったとされる歴史あるお堂で、静かに佇む姿が印象的です。

境内には白いゾウがいました。
おしゃれな「西園」でカフェランチ

野津田薬師堂の境内から階段を上ると、西園へとつながります。高台にはきれいに整備された芝生が広がり、心地よい風のなかでピクニックを楽しむ人たちの姿も見られました。

さきほどまでいた「薬師池公園」とは打って変わって、おしゃれな公園。黒い案内板が指し示す方向へ歩みを進めます。

階段を下りていくと、まるでステージのような、気持ちのいい芝生広場が広がっていました。実際、ダンスをはじめとするさまざまなイベントが行われるようです。

その先へ目をやると、真っ黒な建物が!これが、今回ランチをしたカフェ・レストラン「44APARTMENT薬師池店」です。

外で飲食ができる席も用意されていて、秋の心地よい空気のなかで食事を楽しむのもいいなぁと思ったのですが、テイクアウトできるメニューは限られていたため、今回は店内でいただくことにしました。
ちなみに、外の席はすぐに座れる様子でしたが、店内は人気があり、平日の12時30分ごろでも少し待つことに。私の前にはすでに3組が並んでいて、4組目でした。

薬師池公園が京都のような趣があるとすれば、西園は軽井沢のような雰囲気。順番を待っている間は、この辺りをうろうろ。電話番号を登録できるので、この場所から離れて待ってもOKです。

いただいたのは「4種のデリサラダプレート」。プラス料金でセットドリンクのアイスコーヒーも注文しました。
目の前に広がるきれいな芝生広場を眺めながらのランチは、とても爽やかで心地よいひととき。パンには何も塗られていなかったように見えましたが、しっかりと味がついていて、とても美味しかったです。

食事を終え、アイスコーヒーを飲みながらゆったりと過ごしていると、食べ終わった食器を片付けに来てくれたお店の方が、「よかったら、新しいおしぼりをどうぞ」と手渡してくださいました。
そのおしぼりに目をやると……
「Have a nice day!」
「ごゆっくりどうぞ!」
そう書かれていて、思わず嬉しくなってしまいました。さりげない心配りがとても心地よく、一瞬にしてお店のファンになってしまいました。

アイスコーヒーを飲み終わったところでカフェを後にして、インフォメーション&直売所へ。町田産の農産物や名産品、お酒、器などを販売していて、お土産探し気分で店内をうろうろするのが楽しかった!

そしてインフォメーションには、さまざまなパンフレットが並んでいました。私もいくつかいただきましたが、本来なら最初に手に取っておくものですよね。
今回はそば畑を訪れるのが最大の目的だったため、そちらから巡りましたが、西園のインフォメーションからスタートすれば、「町田薬師池公園 四季彩の杜」やその周辺をより楽しめるかもしれません。
まぁ、こうした行き当たりばったりのおでかけも楽しいのですが。