はじめて「九品仏浄真寺」を訪れたのは、いつかの紅葉の時期。自由が丘を散策しながら駅に向かっているはずが、いつの間にか道を間違えていたようで、たまたま「九品仏浄真寺」に辿り着いたのです。
そして、「なにここ!紅葉がきれい!」と、そのまま吸い込まれるように境内に入っていったのでした。
それから何度か足を運んでいて、今回は、夏真っ只中の「九品仏浄真寺」を散策してきました。
総門をくぐると青もみじの参道がつづく

東急大井町線「九品仏駅」から徒歩5分ほどの場所にある「九品仏浄真寺」。自由が丘駅からも徒歩15分くらいで、あの自由が丘の徒歩圏内に、こんなにも緑豊かで広大なお寺があることに驚いたのを、今でも覚えています。その大きさは約12万平方メートル(東京ドーム2.5個分)とのこと。
総門に近づくと、その先につづく青もみじのトンネルが視界に入ります。

秋になると、総門からつづく参道が見事なまでの紅葉に包まれますが、青もみじと朱色の灯籠も風情があって美しいです。

灯籠にはさぎ草の花が描かれています。”さぎ草”は、このお寺がある世田谷区の花。境内にも「さぎ草園」があり、毎年8月上旬ごろになると、白く可憐な花を咲かせるそう。

総門をくぐってすぐ左手には「閻魔堂」。ちゃんと三途の川も流れており、川をわたると閻魔大王に会うことができるというわけ。お賽銭を納めると、ありがたいお言葉を聞くことができます。

朱色の灯籠が連なる参道をすぎると、開山堂が見えます。開山堂にある手水舎にも”さぎ草”があしらわれていました。可愛らしいですね。

開山堂には、このお寺を開いた珂碩上人(かせきしょうにん)が彫ったご尊像がお祀りされています。
青もみじが美しい山門をくぐって本堂へ

「九品仏浄真寺」といえば、重厚な山門!たわわな青もみじに覆われた山門があまりに美しくて、時間を忘れて見入ってしまいました。この風景を見るたびに、京都を訪れているような錯覚に陥ります。

本堂(龍護殿)には、阿碩上人自作の釈迦牟尼如来像が安置されています。そして本堂の前には左右に白鷺の姿が。

白鷺には絵馬やおみくじが結ばれていました。

秋には黄金色のイチョウが圧巻の「九品仏のイチョウ」が、本堂のすぐそばに。

本堂近くには美しい苔が生息する緑のじゅうたんも。キラキラしが木漏れ日が神秘的でした。
本堂から眺める枯山水庭園が美しい

お賽銭をおさめて本堂へあがると、眼下に枯山水庭園を眺めることができます。

本堂内には庭園を眺めるようにベンチも置かれていて、目の前にこの景色を眺めながら過ごす時間は、時が止まったかのようでした。大きな扇風機もあって、心地よく過ごすことができました。
九品仏の由来である阿弥陀如来像が鎮座する3つのお堂

本堂と向かい合うように「上品堂」「中品堂」「下品堂」の3つの阿弥陀堂が建てられています。それぞれ3体ずつ、計9体の阿弥陀如来像が安置されており、「九品仏(くほんぶつ)」という呼び名の由来となっています。
上品堂は、令和7年12月末ごろまで耐震工事のため閉まっていました。

上品堂の、向かって右側に「中品堂」があります。お堂のなかには、青いアフロヘアが印象的な阿弥陀如来像が鎮座されています。

向かって左側に「下品堂」。こちらにも同じく阿弥陀如来像が鎮座されていました。これらの阿弥陀如来像は、阿碩上人が掘ったものだそう。
3つのお堂を見学したあとも、なんだか帰るのが名残り惜しくて、境内をぶらぶら。木陰のベンチに座って青もみじを眺めながらのんびり過ごしました。
東京にいながら、束の間の京都トリップ気分。とてもいい気分転換になりました。
住所・アクセス/関連サイト
東京都世田谷区奥沢7丁目41-3
東急大井町線「九品仏駅」 より徒歩5分
東急東横線「自由が丘駅」 より徒歩15分