川崎市「瀋秀園」で中国を旅している気分のさんぽ

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瀋秀園

川崎市にある、まるで中国の庭園を訪れたような「瀋秀園(しんしゅうえん)」に行ってきました。

先日、川崎大師を訪れた際に立ち寄ってみたら、まさかの休園日!いや、ちっともまさかではなく公式サイトには休園日もちゃんと書いてあるのですが……。外側からちらりとのぞいただけでも「まるで中国じゃん!」と興奮。

「絶対にリベンジするぞ!」と、行ってきたわけです。

oto

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東京を拠点に、明日がちょっと楽しみになるおでかけや日々のヒントを発信。Amazon Kindle総合2位・エッセイ部門1位『わたしをご機嫌にする休日』をはじめ、6冊を出版。Yahoo!ニュース エキスパートでは「おでかけ記事」を執筆中です。JFN系全国28局ネット「レコレール」に出演し、東京の穴場スポット紹介も。

目次

姉妹都市提携5周年を記念して造られた「瀋秀園」

瀋秀園

京急線「東門前駅」から徒歩8分ほど、大師公園の一角に中国の伝統美を感じる庭園「瀋秀園」が広がっています。とはいえ、公園の中にありながら、まるでひとつの施設として独立しているような雰囲気。

なぜ川崎にこうした庭園があるのかというと、川崎市と中国・瀋陽市(しんようし・シェンヤン)の姉妹都市提携5周年を記念して造られたものとのこと。

まだ園内に足を踏み入れていないのに、すでに異国情緒あふれる雰囲気にワクワクが止まりません。正門の前には、庭園の守り神である、瀋陽市から寄贈されたという獅子像が並んでいます。

瀋秀園

正門をくぐると、ちょっとした広場のような空間になっていて、目の前には大きな石が置かれています。これは「太湖石(たいこせき)」と呼ばれるもので、中国・江蘇省の太湖から切り出された石なのだそう。

無数の穴があいた複雑な形が特徴で、自然が生み出した造形美として、中国の庭園には欠かせない存在といわれています。

近くで見ると、ひとつひとつの曲線や陰影がとても美しく、まるで彫刻のよう。

中国伝統の建築様式で造られた東家が美しい

瀋秀園

園内には「秀湖(しゅうこ)」と呼ばれる池が広がり、2棟の東屋が回廊でつながっています。写真の手前に見えるのが「知春亭(ちしゅんてい)」、奥に見えるのが「藕香榭(ぐうこうしゃ)」。

この写真だけを見せたら、「中国を旅行してきたの」と言ってもきっと信じてもらえそうです。

それもそのはずで、瀋秀園の設計や工事は、中国・瀋陽市の専門家の指導のもとで進められたそうです。瓦や石、木材の一部は、はるばる瀋陽から運ばれてきたもの。

園内のあちこちに中国から贈られた素材が使われています。

瀋秀園

「藕香榭(ぐうこうしゃ)」に向かって、回廊をてくてく。歩くたびに見える景色が変わっていくのが楽しくて、つい足が止まります。

瀋秀園

回廊から眺める池や建物の景色も本当に美しく、どこから写真を撮っても絵になります。「どの角度から見ても絵になるように設計されている」と聞いて、なるほどと納得。

瀋秀園

「藕香榭(ぐうこうしゃ)」に到着!朱色の建物が緑の風景によく映えます。木組みには、中国の四季折々の風景が描かれていて、その繊細な色づかいに思わず見入ってしまいました。まるで建物そのものが一枚のアートのよう。

瀋秀園

藕香榭から眺める景色もまた美しいです。この「藕(ぐう)」は“ハス”を意味していて、夏にはここから池に咲くハスの花を眺めることができるのだそう。私が訪れたときは、葉っぱが浮かんでいました。

花火のように枝を広げる柳の姿も、朱色の建物によく似合います。ちなみに柳はもともと中国原産の植物で、奈良時代に日本へ伝わったといわれているそうです。

瀋秀園

ほとりまで出ることができるようになっていて、水面を間近に感じられます。園内はとても静かで風も心地よく、ついその場に佇んでしまいました。

瀋秀園

錦鯉が優雅に泳いでいました。

瀋秀園

園内をぐるっと散策。先ほどまでいた「藕香榭」のすぐ横には、優美なアーチ型の橋「柳蔭橋(りゅういんきょう)」がかかっています。水面に映るその姿はまるで満月のよう。

攬翠亭(らんすいてい)から庭園を眺める

瀋秀園

園内のいちばん高い場所に「攬翠亭(らんすいてい)」があります。あそこまで行ってみようと思います。

瀋秀園

攬翠亭のすぐ横には、小さな滝が流れています。岩のあいだから水がさらさらと落ちる、その穏やかな流れを見ていると、時間を忘れていつまでも眺めていたくなります。

瀋秀園

石段を上っていきます。細部にまで中国文化を感じさせる意匠が散りばめられています。

瀋秀園

攬翠亭に到着しました!攬は摘みとる、翠は緑を意味し、緑の美しい景色を鑑賞する建物という意味があるそうです。

瀋秀園

攬翠亭(らんすいてい)からは、瀋秀園の全体を一望できます。名前のとおり、緑の美しさを存分に感じられる場所で、目の前には池や東屋、橋などが調和する風景が広がっていました。

日本庭園が静けさや余白の美を重んじるのに対し、中国式庭園は人と自然の調和や詩情あふれる景観を大切にするのが特徴だそうです。

まるで中国を旅しているような時間だった

瀋秀園

庭園の面積は約4,300平方メートルとそれほど広くはありませんが、この一角だけは本物の中国にいるような雰囲気で、短い時間ながらも中国を旅しているような気分で散策を楽しめました。

撮影スポットとしても人気が高く、コスプレイヤーの方たちが訪れることでも知られています。私が行ったときも、ちょうど撮影をしている姿を見かけて、普段あまり目にすることのない光景に思わず見入ってしまいました。

すぐ近くには川崎大師もあり、あわせて巡れば充実した休日になりそうです。都会からもアクセスしやすい場所で、静かな異国の風景を味わえるのは嬉しいですね。

住所・アクセス/関連サイト

神奈川県川崎市川崎区大師公園1

京急線「東門前駅」より徒歩8分

公式サイト

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