はじめて、川崎市にある「生田緑地」へ行ってきました。Google Mapで展望台を検索していたら、生田緑地にある「枡形山展望台」がヒットしたのです。
なにやらお城のようなデザインの展望台で、「ここは行ってみたい!」と、”いつか行ってみよう”フォルダに入っていたのですが、あらためて「生田緑地」について調べてみると、自然が多い場所であることがわかりました。
夏は自然が恋しくなる季節、ということで、自然を求めて8月のある日、いざ出発!
さて、私にとって生田緑地といえば、春と秋のバラ園や、岡本太郎美術館、藤子・F・不二雄ミュージアムがある大きな公園、という認識でしたが、実際に訪れてみて、想像以上の大自然が広がっていてびっくり。
ちょっとした散歩で訪れたつもりが、ほぼハイキングになりました。
長者穴口から「枡形山展望台」に向かう

生田緑地には出入り口がたくさんありますが、お目当ての「枡形山展望台(ますがたやま てんぼうだい)」へ直行するには、長者穴口がもっとも近そうだ、ということで、この出入り口を選んだのですが……。
しょっぱなから長い、長い階段をのぼることになりました。

写真をよーく見るとわかりますが、奥の奥のほうまでずっと階段がつづいています。
そりゃそうだ、向かっているのは枡形山の山頂にある展望台。その枡形山の標高は84.6mです。

たくさん階段をのぼって、えんやこらと歩いて、到着!「枡形山展望台」が目の前に現れたときには小さな感動を覚えました。
この場所は、鎌倉時代に源頼朝の家臣として活躍した武将・稲毛三郎重成(いなげさぶろうしげなり)が築城した「枡形城」の跡地。お城を模した姿であるのも納得です。

展望台の正面に、ベンチがたくさん並んでいます。じつはこの展望台、1階部分が能舞台としても使える多目的スペースになっているのです。

階段でのぼるのかと思いきや、枡形山展望台にはエレベーターもありました!階数表示は1、2階ですが、実際には4階くらいありそうな高さです。

エレベーターを降りると風がビュービュー吹いて気持ちがいい!展望スペースもまるでお城の最上階のようで、お城のある街を旅行している気分。
遮るものがなにもなく、360度をぐるりと見渡すことができます。

天候によっては富士山も見えるそうですが、私が訪れた日は雲が多く富士山は見えず。しかしスカイツリーや東京タワーは見ることができました。

ハッキリ見えなくても、「あそこらへんに高尾山があるのかぁ」とか「さいたま新都心の方面なのかぁ」と感じるのも楽しい。
ところで、手すりには動物の置物が飾られていますが、ずばり干支です。

自分の干支を見つけると嬉しくなってしまいますが、この干支はただの装飾ではなく方角と刻をあらわしているそう。子(ねずみ)の北からはじまり、卯(うさぎ)が東、午(うま)が南、酉(とり)が西です。
景色をたっぷり堪能したあと、帰りは階段で降りて、つぎの目的地へ向かいました。
メタセコイア林へLet’s Go!

メタセコイア林へ向かう途中、日本民家園が見えました。東日本の歴史的な古民家など25軒を保存・展示しており、時代を遡ったような時間を過ごせる場所。貴重な合掌造りの住宅などを見ることができます。

中央広場には「スハ42型客車」の展示が。昭和時代の国鉄(日本国有鉄道)で活躍した長距離用客車です。

中を自由に見学することもできます。扇風機がまわっておらず暑かったですが、座席に座ってみると、これからどこか遠くへ旅行に出かけるようで、自然とワクワクします。

中央広場を抜けるとメタセコイア林に到着しました!規模は大きくないものの、ここだけ北欧のような景色が広がり、空に向かって高く伸びる木を見上げると、森へ迷い込んだようです。

メタセコイア林には神秘的な奥の池も。青もみじが生い茂り、秋には紅葉が美しい場所として知られています。

メタセコイア林の先にある階段をのぼると、岡本太郎美術館があります。併設する「カフェテリアTARO」は入館料いらずで利用でき、テラスからは池のある風景を眺めながら過ごせます。

そして目の前に現れたのが「母の塔」。間近でみるとその大きさにびっくり!高さは30mあり、これはマンションで言うと10階相当らしい。
本当に圧倒される大きさなので、生田緑地を訪れたぜひ見ていただきたい!
ハンノキ林へ!いよいよハイキングがはじまる

メタセコイア林のほうへ戻り、見晴らしデッキへ向かうべく階段をのぼります。210段くらいあるそう。

おそらくこれが見晴らしデッキ。あまりに木がわさわさしていて見晴らしはそれほど……でしたが、デッキにはいちおうベンチも置かれています。

見晴らしデッキ近くで撮影。この景色、もはや山登りですね。

ほどなくして日本民家園の西門をかねた伝統工芸館がありました。愛染体験などができるそうです。

「谷間の自然探勝路・ホタルの里」と書かれた案内のとおり、階段を降りることに。ここから、大自然の大冒険がはじまります。

不思議なことに、このあたりは空気が冷たくてひんやりしています。まさに自然の冷房といった感じ。”谷間”というだけあり、階段を、どんどん、どんどん下っていきます。
「こんなに降りて大丈夫なの?」と心配になるくらい深く、まるで別世界への階段を降りているようでした。

いつの間にかハンノキ林を訪れていました。川崎市でこんな自然に出会えるなんて……。ハンノキとは湿った土地を好む落葉高木で、高さは10〜20mほどに成長するそう。

これでもかと植物が生い茂るなか、木道が整備されています。聞こえてくるのは鳥の声だけという別世界をのんびり歩きながら、いつの間にか鼻歌を歌っていました。
「水生植物鑑賞池」で里山さんぽ

ハンノキ林で大自然を満喫したことで勢いがつき、まだもう少し自然を楽しみたいと向かったのは、初山(はつやま)地区にある「水生植物鑑賞池」。
水生植物を間近で観察できるエリアで、人っこひとりいませんでした。やはりこちらも木道が整備されており、湿地をハイキングしているよう。

青もみじが覆いかぶさる水舎小屋があり、里山っぽさを感じさせます。秋の紅葉もまた風情があるのだろうなぁ。

水生植物鑑賞池はわりとあっという間に見終えてしまい、もう少し自然を楽しみたい私は、「思い出のうたのこみち」と書かれたほうへ歩き出しました。
というより、山をのぼりはじめました。
すると、見晴らしのいい場所にまるで城跡のような場所が!
調べてみると、ときどきこの場所で音楽会が開かれているらしく、観客の方々が、この石垣のようなところに座って、音楽を聴いている写真が出てきました。
ここは、けっこう山のなかにある気がしたけれど、演奏する方も含めて、みなさん、ここまで登ってくるのでしょうか。
私も参加してみたいなぁ。
というわけで、想像以上に大自然を満喫し、ハイキング気分まで味わえた「生田緑地」の散歩はこれにて終了。心地よい疲れと、満足感いっぱいで帰路につきました。
住所・アクセス/関連サイト
神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-4
小田急線「向ヶ丘遊園駅」南口より徒歩13分