わたしもつい「こうなったら嫌だなぁ」と悪いほうの未来ばかりを想像してしまって、二の足を踏んでしまうことがあります。
けれど、本当は”いいほう”の未来だってあるはず。
そんなことに、改めて気づかされた出来事がつい最近あったので、ご紹介させてください。といっても、その出来事は、あまりに小さな、本当にささやかな日常のひとこまです。
スーパーに寄ったらゴーヤが1本138円
先日、最寄駅から自宅に帰る途中、ひとつ買いたいものがあったのでスーパーに立ち寄りました。
入口すぐの果物・野菜コーナーにふと目をやると「ゴーヤ1本138円」と書かれている。
わたしはゴーヤが好き。
夏になると、ゴーヤチャンプルをよくつくります。
近所のスーパーのゴーヤの相場はなんとなく頭に入っていて、夏も深まると200円台から198円に下がり、「お買い得」と大きく書かれてもせいぜい168円くらい。
「138円だなんて……めっちゃ安い!」
しかし、この日わたしが買いたかったものは、そのスーパーには売っていなくて。
レジに並んでゴーヤ1本だけ買うのもなぁと、後ろ髪を引かれながらも別のスーパーへ行きました。
つぎに立ち寄ったスーパーで買いたいものは買えたのですが、念の為ゴーヤの値段を確認すると198円。
「だよね、そうだよね」と思いながら、とりあえず帰宅しました。
「ゴーヤ安かったなぁ。もう1回あのスーパーに行こうかなぁ」
「明日はきっと元の値段に戻ってるよね」
「でも今日は1日出かけていて疲れたしなぁ」
とさんざん逡巡しながら、結局「よく考えたらたった60円の差じゃないか!」と自分に言い聞かせて、その日はスーパーへ行くのをやめました。
翌日スーパーへ行くとまさかの展開が
スーパーにはだいたい2、3日に1回行きます。
翌日はスーパーに行く日だったので、いつも通り果物・野菜コーナーを歩きながらゴーヤがある場所へ行くと……。
「1本198円」ではなく、「1本138円」でもなく。
なんと「1本99円」という破格のお値段になっていたのです。
わたしが住んでいる地域のスーパーでは、この価格はかなり安い!
運がよければ昨日と同じ138円だけど、きっと、いつもと同じ198円に戻ってるよなぁと、「もしかしたら、もっと安くなってるかも?!」なんて、安くなるほうの未来を、これっぽっちも想像していなかったのです。
大げさに聞こえるかもしれませんが、このとき「そうだった!ポジティブなほうの未来もあるんだった」と、改めて思い出しました。
「昨日、買わなくてよかった」と、なんだか自分がちょっとツイている気がして嬉しくなりました。
悪いほうの未来を想像するのは仕方がないけれど
悪いほうの未来を想像してしまうのは、人間の防衛本能によるもの。
人間の脳は、生存のために「危険やリスクに先に気づく」ように進化してきたので、自分にとってネガティブなほうを想像するのは、ある意味仕方のないことです。
それでも、何かやりたいことがあるときに、悪いほうの未来しか想像できなければ、うっかりチャンスを逃しかねません。
悪いほうの未来ばかり想像している自分に気づいたら(気づくこと自体が難しい場合もあるけれど)、一旦立ち止まって、「正反対の未来もあるかもよ?」と考えてみる。
もしかしたら、反響が得られるかもよ?
もしかしたら、うまくいくかもよ?
もしかしたら、もっといい職場に出会うかもよ?
もしかしたら、これまでで一番いい結果が出るかもよ?
もしかしたら、思ってもいなかった出会いがあるかもよ?
そうやって“いいほうの未来”にも目を向けられたとき、また一歩、前に進む力が湧いてくるのだと思います。