秋分の日(9月23日ごろ)には昼と夜の時間が同じになり、冬至(12月22日ごろ)が一年で最も夜が長くなります。それなのになぜ、秋の夜長というのでしょうか。
それは、厳密な時間の長さではなく、日の長い夏から秋への移り変わりにより、体感的に「あー夜が長くなったなぁ」と感じるから。
寒い冬に比べて秋の夜は過ごしやすく、夜の時間を長く楽しめるという意味も込められているのだそう。
ここでは、そんな秋の夜長を楽しむ過ごし方をご紹介します。
1. もくもくと編み物に興じる

秋の夜長にじっくりと編み物をする時間は、せわしない日々のなかで「時間を編む」ようなひとときです。
毛糸と編み針があれば、特別な道具はいりません。
手軽に始められるのも、編み物の魅力のひとつです。
はじめての人は、小さなコースターやポットマットなど、短時間で完成するものから始めるのがおすすめです。「できた!」という喜びが、また次につながります。
毛糸選びも、楽しみのひとつです。
ベージュやグレーなど落ち着いた色味はもちろん、深いグリーンやマスタードなど、季節を感じるカラーを選ぶと気分が変わります。
編み物のいいところは、完成を急がなくてもいいところ。
今日が三段、明日は五段。少しずつ編み進めながら「今夜もここまでできた」と小さな達成感を味わえます。
お気に入りの音楽をかけて、お茶を片手に。
もしくは何も流さず、ただ静けさと向き合う夜もいいものです。
編み物の時間は、何かを作る以上に、自分のペースを取り戻す時間にもなります。
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2. 写経でこころを整える

写経と聞くと、少し敷居が高い印象を持つかもしれませんが、実際はとてもシンプルです。お経を一文字一文字丁寧に書き写すだけ。
道具も、写経用紙と筆ペンがあればOK!写経用紙は100円ショップでも購入できます。
はじめての方の定番は「般若心経」ですが、たった260〜270文字ほどです。それでも、丁寧に書き写すと1時間くらい経っていて驚きます。
こうして集中する時間を過ごしたあとは、脳がリフレッシュしていることに気づくでしょう。心のざわつきもおさまり、気持ちよく眠りにつけるはずです。
3. ふと手紙を書いてみる

学生時代の友人が地元のお菓子を送ってくれた際、その荷物のなかに手紙が入っていました。しかも、便箋いっぱいに綴られた長いメッセージ。
「こういう手紙、久しぶりにもらったなぁ」と、胸がじんわりとしました。
便箋や封筒を選ぶのも楽しい時間です。仕事帰りに文房具屋さんに寄り道して、心ときめくレターセットを選んでみる。季節感のあるものもいいですね。記念切手を貼るとさらに特別感が出ます。
小さな注意点としては、夜の時間帯はちょっぴり情緒的になりやすいこと。思いつくままに書いているうちに、少し感傷的になってしまうこともあります。
でも、それもまた手紙の魅力です。素直な気持ちが文字ににじみ出るからこそ、読む人の心に届くのだと思います。
スマホで簡単にメッセージが送れるからこそ、手紙を書くことがちょっぴり面倒に感じられるかもしれません。だからこそ、その「わざわざ書いてくれた」という気持ちそのものに、相手への思いやりが込められているように感じるのです。
4. 秋のおうちシネマ

秋の夜長は、じっくりと何かに向き合うのにぴったりの季節。スマホをそっと置いて、一本の映画を観る時間を味わってみてはどうでしょうか。
部屋の照明を落とし、キャンドルをひとつ灯すだけで、いつものリビングが映画館のような雰囲気に変わります。
あたたかい飲み物やお酒を用意して、スイーツやおつまみを少し。お気に入りのブランケットをかけて座れば、もうそこは自分だけの特等席です。
ちょっぴり切ない気持ちになる秋の夜は、情緒をさらに際立たせる映画を選ぶのもいいですね。ゆったりとしたテンポのヒューマンドラマや、秋の風景が印象的に描かれた作品などは、静かな夜にぴったりです。
日常のなかに小さな幸せを見つけるような映画も、秋の夜長に心がほっこり癒されます。
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5. 秋の夜長の定番といえば読書

日中の慌ただしさが落ち着いた秋の夜、本を手に取りページをめくる時間は、ここではないどこかへ連れて行ってくれるような気分になります。
読書は、誰かの世界を旅するようなもの。
体験したことのない日常、会ったことがない人、新しい価値観……ページをめくるたびに、静かな刺激をくれます。
物語に没頭したい夜は小説を、現実を整えたい夜はエッセイや暮らしの本を。詩集を開いて、一行の言葉をゆっくり味わうのも素敵ですし、旅行ガイドブックのページをめくりながら妄想旅行するのも楽しい時間です。
6. おこもり美容でこころも整う

夏の紫外線や冷房で疲れた肌や髪を、秋のうちにしっかりいたわっておくと、冬を健やかに迎えられます。
ドライヤーの前にはアウトバストリートメントを髪になじませ、ボディクリームをゆっくりと肌にのばしてうるおいを閉じ込める。
ネイルオイルで指先を保湿し、シートマスクで肌を潤せば、翌朝の自分が見違えるように整います。
お気に入りの香りを取り入れると、リラックス効果もアップ。
アロマやハンドクリーム、ボディオイルなど、香りのトーンをそろえると、まるでおうちエステのような心地よさに包まれます。
おこもり美容は、肌を整えるだけでなく、心をやさしく整える習慣。「今の自分を大切にする時間」を持つことで、忙しい毎日のなかにも小さな余裕が生まれます。
秋の夜長、自分をやさしくリセットする時間は、翌朝の肌も心もすっきり軽くしてくれます。
7. お風呂時間を楽しむ

少しずつ肌寒さを感じる季節になると、温かいお風呂の時間がいっそう待ち遠しくなります。
秋の夜長のお風呂時間をより豊かにするには、五感を意識すること。金木犀や柚子などの秋らしい香りに加え、心を落ち着けるラベンダーや、気分をすっきりさせるユーカリなど。
気分に合わせて入浴剤やバスソルトを選べば、温かい湯気とともに立ち上る香りが、心をやさしくほぐしてくれます。
そして、キャンドルを灯せば、揺らめく炎の光を眺めながらの入浴が、瞑想のように心を静め、深いリラクゼーションへと導いてくれます。
防水対策をして本を読んだり、好きな音楽やポッドキャストを流したり。ただお湯に浸かるだけでなく、「心地よい時間を過ごす」ことを意識すると、お風呂の時間がいっそうご褒美のようなひとときに変わります。
8. おうちヨガ習慣をはじめる

暑さが落ち着き活動しやすい秋は、運動をはじめる人が多い季節。なかでも自宅でできるヨガを“自分磨きの習慣”として取り入れるのはおすすめです。
ヨガマット1枚あればすぐに始められますし、YouTubeには初心者向けのレッスン動画がたくさんあります。
難しいポーズを完璧に取る必要はなく、自分のペースでゆっくり動けばOK。続けるうちに、体だけでなく心までほぐれていくのを感じられます。
ヨガの基本は、呼吸を意識すること。
一日の中で浅くなっていた呼吸を深めるだけで、自然と心が落ち着いていきます。
吸う息でエネルギーを取り込み、吐く息で不要なものを手放す──そんなイメージです。
体をやさしく伸ばしながら呼吸を整えることで、心のざわめきが静まり、眠りも深くなります。
9. ことこと煮込み料理

夜が長く感じられるこの季節は、キッチンに立ってゆっくりと「煮込み料理」を楽しむのにもぴったりです。
もちろん作るものにもよりますが、手間がかかるのは材料を切るときくらい。あとはお鍋に入れて、じっくり待つだけ。
湯気のあたたかさや、ことことと煮え立つ音、そしておいしそうな香りに包まれると、「あぁ、秋がやってきたなぁ」と感じます。
煮込み料理は、手を動かす時間よりも「待つ時間」が主役です。その間にテーブルを整えたり、食卓に合うBGMを選んだり。そんな準備のひとときも、どこかゆったりとした幸福感に包まれます。
忙しい日々の中で「時間をかけて何かをつくる」という行為自体が、ちょっとした贅沢になります。
10. 秋のごきげんリストをつくる

ノートや手帳の1ページに、この秋に、自分をごきげんにするためにやりたいことを書き出してみませんか?
・おいしいアップルパイを食べに行く
・焼きたてのスイートポテトを食べに行く
・秋の味覚狩りをする
・日帰りで温泉地へ行く
・年末に向けて捨て活する
・ミュージアムカフェで過ごす
・秋色のネイルを楽しむ
・髪色をチェンジしてみる
・秋バラを見に行く
小さなごきげんを少しずつ叶えていくうちに、日常がふわりと明るく色づいていきます。