8月の終わりごろになると、昼間はまだ真夏のように暑いのに、朝は若干の涼しさを感じ、夕暮れどきの空や夜に吹く風に「秋の気配」を感じることがあります。
9月は、まさに夏と秋が同居する不思議な時期。うだるような暑さに名残惜しさを感じつつも、秋の訪れに胸をときめかせる月です。
今回は、9月ならではの楽しみ方で、ちょっと特別に過ごすための10のアイデアをご提案します。
1. 9月の花絶景(彼岸花・コスモス)を見にいく

9月に楽しめる花といえば、代表的なのは彼岸花とコスモス。
真っ赤な彼岸花はどこか妖艶で、夏から秋への境目を鮮烈に感じさせてくれる存在です。田んぼの畦道に咲く姿はとくに美しく、稲穂の黄金色と彼岸花の深紅が織りなすコントラストは、日本の原風景そのもの。思わず立ち止まって写真に収めたくなる光景です。
一方、コスモスは風に揺れる姿がなんとも可憐。広いコスモス畑で、ピンクや白、黄色の花々が一面に咲く景色は、どこか懐かしく、童心にかえったような気持ちになります。
コスモス畑を散策しながら、澄んだ秋空をふと見上げる瞬間。「あぁ、秋がやってきたんだな」としみじみ実感できる時間です。
2. テラス席でモーニングやランチをする

真夏には一目散に屋内に逃げ込んでいたのに、9月になるとふと「テラスで食べたい」と思えるようになります。
朝の澄んだ空気のなか、カフェのテラス席でいただくモーニング。淹れたてのコーヒーの香り、こんがり焼けたパンの匂い。そんなちょっとした時間が、1日を豊かにしてくれます。
少しだけ早起きをして、テラスでモーニングをいただく。それだけで非日常を感じられる特別な時間。人の流れや街路樹の緑を眺めながら食事をすると、不思議と心に余裕が生まれ、「今日はいい日になりそう」と思えるのです。
さらに9月が進むと、強い日差しも少しずつやわらぎます。心地よい風が吹き抜けるなか、外でいただくランチは、室内よりも開放感があり格別。サラダやパスタを口に運びながら青空を仰ぐだけで、まるで旅先のカフェにいるような気分になれます。
3. シャインマスカットのデザートを食べる

9月のフルーツといえば、やっぱりシャインマスカット。見た目の透明感と鮮やかさは、まさに“宝石スイーツ”です。
この時期になるとスーパーでも手に入りやすくなり、街のカフェやパティスリーでも、シャインマスカットを使ったスイーツが次々と登場します。
タルトの上にぎっしり並んだマスカットは、ひと粒ひと粒がキラキラと輝いていて、食べる前からうっとり。ショートケーキに重ねられた断面の美しさや、グラスいっぱいに盛られたパフェも魅力的です。
さらに、ホテルなどでは「シャインマスカットのアフタヌーンティー」が登場する季節。美しいティースタンドに並ぶケーキやマカロンを眺めながら過ごす時間は、夏を乗り切った自分への最高のご褒美になります。
一口ごとに爽やかな甘さが広がり、「あぁ、今年もこの季節がやってきたなぁ」と自然と笑顔に。秋の始まりを知らせてくれる特別なフルーツです。
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4. 黄金の棚田を見にいく

9月の田んぼは黄金色に輝きます。とくに棚田の風景は圧巻です。
太陽の光を浴びてキラキラと輝く稲穂が、階段のように連なって広がる光景。ときおり吹く風にざわざわと揺れる音まで心地よく、のんびりした時間が流れます。
農家の人々が代々守ってきた棚田の美しさは、日本人の暮らしと自然が一体となった証。見ているだけで「豊かさ」や「ありがたさ」を思い出させてくれます。
都会ではなかなか出会えない景色だからこそ、9月の小旅行にはおすすめです。
5. 栗ごはんをつくる

栗の旬を迎える9月。栗スイーツもいいけれど、家で栗ごはんを炊くのも、この季節ならではの醍醐味です。
皮をむくのは少し大変ですが、むしろその手間こそが季節を味わう楽しみ。
もち米を加えると、もっちりした栗ごはんができあがり、栗おこわのよう。お塩だけのシンプルな味付けでも十分においしく、黒ごまをふれば見た目もぐっと秋らしくなります。
さらに食卓にサンマの塩焼きを並べれば、香ばしい香りとともに一気に「秋の食卓」の完成。栗のほっこりとした甘みと、サンマの旨みが組み合わさり、まさに9月の味覚を存分に楽しめます。
6. 秋祭りや神社の例大祭に行く

9月は、各地で秋祭りや神社の例大祭が行われます。意外と近所の神社でも行われていて、ふと足を運んでみると新しい発見があるかもしれません。
お神輿を担ぐ人々の掛け声、太鼓や笛の音、夜の境内を彩る提灯の明かり。漂ってくる屋台の香ばしい匂いに、子どもの頃の記憶がよみがえる人も多いのではないでしょうか。
夏祭りのにぎやかさとはまた違い、秋祭りにはどこか落ち着いた空気が漂います。その中で感じられる地域の熱気や活気こそが、秋祭りならではの魅力です。
7. 運動しやすい季節の到来

じっとしているだけで汗ばむ夏。暑さを理由に、つい運動をお休みしてしまった方も多いのではないでしょうか。私もその一人です。
そんな夏が過ぎ、少しずつ風が心地よく感じられる9月は、体を動かすのにぴったりの季節。実際、この時期からトレーニングを再開する人も少なくありません。
ウォーキングやランニングはもちろん、自転車で少し遠出してみるのもおすすめ。秋の気配を感じる景色のなかを歩いたり走ったりすると、体だけでなく心まで軽やかになっていきます。
季節の変わり目は「気持ちを切り替えて挑戦したい」というエネルギーが高まるタイミングでもあります。
「運動=体を鍛えるため」と考えるとハードルが高くなりがちですが、「季節を楽しむための小さな習慣」と思えば、もっと気軽に続けられるはずです。
8. 夏の疲れを癒しに温泉へ

夏の強い日差しや冷房による冷え、寝苦しい夜…。気づかないうちに、私たちの体は思った以上に夏の疲れをため込んでいます。そんな疲れをやさしく癒してくれるのが、9月の温泉です。
露天風呂に浸かりながら夜風を浴びる時間はまさに至福のひととき。じんわりと体の芯から温まり、心までふわっとほぐれていきます。
遠出をしなくても、近場の日帰り温泉で十分リフレッシュできますし、週末に旅館へ泊まって小さな温泉旅行を楽しむのもいいですね。
季節の変わり目に、心と体をチューニングする時間として取り入れてみてはいかがでしょうか。
9. 少しずつ秋色の洋服にチェンジ

9月はファッションの移り変わりを楽しめる時期。
まだ完全に衣替えはできないけれど、カーキやブラウン、ボルドーなどの秋色を小物に取り入れるだけでぐっと季節感が出ます。
お気に入りのワンピースにカーディガンをさらりと羽織ったり、バッグを秋色に変えたり。そんな小さな変化で、毎日の気分が自然と上がっていきます。
街を歩けば、ふと目に入る人のファッションからも秋の気配を感じられるもの。誰かの着こなしに刺激を受けて、「あ、こんな組み合わせもいいな」と想像がふくらむのも楽しい時間です。
10. 今年あと4ヶ月でやりたいことを考える

9月は、1年の3分の2が終わった節目の月。4ヶ月もあれば、まだまだ今年中にやりたいことができますね。
年始に立てた目標を振り返ってみたり、「今年中にやっておきたいことリスト」を書いてみたり。大きな夢でなくても、「読みたい本を読む」「気になっていたお店に行く」「新しい習いごとに挑戦する」など、身近なことを挙げるだけでワクワクします。
リストを書くだけでも気持ちが整理され、「残り4ヶ月も楽しもう」という前向きな気持ちに変わります。