自分の小さな殻を破った話

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自分の小さな殻を破った話

誰かにとっては「なんだ、そんなことか」と言われるようなことかもしれませんが、先日、ひとつ自分の小さな殻を破りました。

本当に小さな殻ですが、私にとっては「恥ずかしい」をひとつ乗り越えた瞬間で、思わず「よくやったじゃん、私」と自分を褒めたくなりました。

oto

この記事を書いた人:oto

東京を拠点に、明日がちょっと楽しみになるおでかけや日々のヒントを発信。Amazon Kindle総合ランキング2位『わたしをご機嫌にする休日』をはじめ、6冊を出版。Yahoo!ニュース エキスパートでは「おでかけ記事」を執筆中です。JFN系全国28局ネット「レコレール」に出演し、東京の穴場スポット紹介も。

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美容院で自分の小さな殻を破った

先日、美容院へ行きました。
最近は月に1回行くようにしています。

何にお金を使うかの優先順位は、人それぞれだと思いますが、私は髪がきれいだとご機嫌になるので、こまめに通うようになりました。

さて、美容院で自分の小さな殻を破ったと聞くと、もしかしたら「洗い足りないところはありますか?」と聞かれて、「大丈夫です」ではなく「あ、こめかみのあたり……」と答えたり、「かゆいところはございませんか?」と聞かれて、「右後頭部のほう」と答えることを想像するかもしれません。

残念ながら、私には、そこまでの勇気はありません。

では、美容院でどんな自分の小さな殻を破ったのかというと──
それは、ものすごく可愛い芸能人の写真を見せたことです。

髪を伸ばすことに挑戦していましたが、やっぱり切りたくなってしまいました。かといって、また前と同じ髪型にするのもつまらないので、少し短くすることにしました。

「ショートボブっぽくしたいなぁ」と思っていた矢先、インスタグラムを眺めていたら、ちょうど、MOREの投稿が流れてきました(フォローはしていないけれど、髪型を検索していたので出てきたのでしょう)。

そこに写っていたのは本田翼さん。

「これこれ!こんな髪型にしたい!」とひとめ惚れ。
……しかし私は、美容院で、とびきり可愛い芸能人の写真を見せることに抵抗があります。

「これ、本田翼さんだから可愛いんだよ!」
なんて、美容師さんが思うはずはきっとないのに、勝手にそんな想像をしてしまっていたのです。

そんな理由で、ずっと芸能人の写真を見せて「こんなふうにしてください」と言えずにいました。いや、20代の頃はできたような気もします。しかし大人になるにつれて、なんだか気恥ずかしくなってしまったのです。

そこで私は、その、本田翼さんの写真に添えられていた「レイヤーボブ」という言葉を手掛かりに、ヘアカタログで似たような髪型を探すことにしました。

探すうちに、近い髪型はいくつか出てきます。

「よし、これを美容師さんに見せよう!」と思うのだけれど、やっぱり、どうしても、本田翼さんの髪型が理想なんです。

顔はもちろんですが、顔の形も違えば髪質も違います。まるっきり同じにはならなくても、やっぱりこんな髪型にしたい。

美容院へ向かう電車のなかでも、スマホを開いて諦め悪く似たような髪型を探し、けれどやっぱり見つからず……。

「なんかすみません、本田翼さんの写真なんですけど、こんな髪型にしたいんです」と、恥ずかしそうに美容師さんに言おうかと迷いながら、とうとう美容院に到着してしまいました。

美容師さんの反応は……

恥ずかしそうに見せるなんて余計に滑稽だ!
そう思い、私は堂々と写真を見せることにしました。

席に案内されると、担当の美容師さんは別のお客さんの施術中。まだしばらくはこちらに来なさそうなのをいいことに、往生際悪く、読み放題のタブレットでヘアカタログをめくり、理想の髪型を探していました。

しかしページをめくる途中、「こんにちは〜」と、ついにその時がやってきたのです。

意を決して、本田翼さんが映っているスマートフォンの画面を差し出しながら言いました。
「こんな髪型にしたいです」

美容師さんは、芸能人の写真を見せられることに慣れているのでしょうか……これがどういう髪型かを説明してくれて、いつものようにカラーから施術が始まりました。

そりゃそうですよね。
「これ、本田翼さんだからこうなるけど」なんて、言えるわけがないでしょう。

自分の小さな殻を破って思ったこと

他人は自分が思うほどこちらのことなんて気にしていません。
みんな自分のことで精一杯です。

私が本田翼さんの写真を見せて「こんな髪型にしたいです」と言ったことは、この世で私しか覚えていない出来事です。

それでも、私の中では確かに小さな殻が“パリン”と割れたのです。大げさですが、また一つ、度胸がついた気がしました。

「これでいいや」じゃなくて「これがいい」を選べた自分が、けっこう誇らしかったりします。

大きな挑戦や劇的な変化じゃなくても、「これがいい」と思ったことをちゃんと選び取ること。それだけで、自分との信頼関係が少しずつ深まっていく気がしました。

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