一瞬で幸せになる方法があります。それは「ない」もの探しをやめて「ある」もの探しをはじめることです。
「ない」ものを探して「幸せじゃない」と言う
「私って、幸せじゃない」と感じてしまうとき。
たいてい「ない」ものばかりに焦点を当てています。
お金がない。
時間がない。
恋人がいない。
友達がいない。
才能がない。
センスがない。
楽しくない。
とはいえ、私たちの脳は「ない」ものを探すのが上手にできています。進化の過程で身についた本能みたいなもので、私たちのはるか昔の先祖は、危険や欠けているものを見つけ出すことで、命を守ってきたのです。
でも、現代はもう、はるか昔のような生存の危険と隣り合わせではありません。「生き延びたい」よりも、「満たされたい」と願って毎日を過ごしている人がほとんどではないでしょうか。
それでも、私たちの潜在意識(つまり無意識の部分)は、いまだに安全であることを優先します。
その結果、
「私にはあれがない」
「これが足りない」
と、いつの間にか「ない」を数える癖がついてしまい、自分に足りないものばかりを数えているうちに、「だから私は幸せじゃない」と感じてしまいます。
「ある」を数えると、幸せの筋肉が育つ
「私って、幸せだなぁ」と日々感じられる人は、「ない」ものよりも、「ある」ものに焦点を当てています。
誰にだって「ない」ものはあるけれど、「ない」ものを「欲しい、欲しい」と嘆くより、すでに手の中に「ある」もののありがたさに気づける人です。
「ある」に目を向けることは、最初は意識しないと難しいかもしれません。でも、筋トレのように、繰り返すうちに自然とできるようになります。
試しに今、「ある」ものを数えてみてください。
・今日も体が動いていること
・カフェで過ごす時間があること
・心地よいお気に入りの香りがあること
・好きな音楽を聴けること
・推しの笑顔を見られること
なんだかちょっと満たされたような、幸せな気持ちになりませんか?
こうした小さなことほど、「ある」に気づく練習になります。
この「あるもの探し」を日課にすると、脳がだんだん「ある」を見つける方向に働きはじめます。
すると日常の中でも、「お天気がいいな」「今日は少し気分が軽いな」と、幸せを感じ取るアンテナが少しずつ育っていくのです。
「ある」を探すことは、幸せを作る練習ではなく、幸せを見つける力を育てること。そうして育った力は、心が沈みそうな日にもしっかりと自分を支えてくれます。
「ない」を見つめる時間が長いと、自己否定が強くなる
「ないもの探し」がクセになってしまうと、いつのまにか、自分にとても厳しくなります。
「もっとがんばらなきゃ」
「まだまだ努力が足りない」
そんなふうに自分を追い立てる時間が長くなり、心はだんだんと疲れてしまいます。
もちろん、夢や目標に向かって前に進むのは素敵なことです。
けれど、それが「足りない自分」を埋める努力になってしまうと、苦しくなります。
どれだけ頑張っても、満たされることはありません。
一方で、「ある自分」を認めながらの努力は、心にゆとりを生み出します。
「私は今日もちゃんとやれている」
「少しずつ成長している」
そんな小さな自己承認を積み重ねることが、幸福感を支える土台になります。
「ない」を見つめて落ち込むままにせず、「ある」を見て勇気づける。その積み重ねが、自己肯定感という土台を作っていきます。
幸せは幸せを感じる人のところにやってくる
「どうして、あの人ばかり幸せそうなんだろう」
そう思ったことはあるでしょうか。
実は、幸せは「特別な人」のもとに来るのではなく、「幸せを感じやすい人」のもとに集まってきます。
というのも、私たちの潜在意識には「変化を嫌う」という性質があります。どんなに良い変化でも、今までと違うことは危険だと判断してしまうのです。
長い間「私はツイていない」「いつもうまくいかない」と思っている人にとって、幸せな変化は、今までと違うこと。だから無意識ともよばれる潜在意識が危険だと感じて、「幸せな変化」を受け取らず遠ざけてしまうのです。
でも、「ある」を数えることで、ゆるやかに「幸せ」を感じられるようになっていきます。「私は幸せなんだ!」と無理やり言って聞かせるのとは違い、穏やかに「幸せ」体質になっていくことができます。
その結果、「幸せでいることが自然だ」と潜在意識が抵抗なく思えるようになり、幸せをどんどん受け取れるようになるのです。
おわりに──幸せを追いかけるのではなく
幸せはどこか遠い場所にあるのではなく、実は私たちのすぐそばにあるもの。
朝の光。
あたたかい飲みもの。
好きな人の笑顔。
ふと届いた優しい言葉。
もし、朝起きても真っ暗だったら?朝の光がとても幸せに感じられますよね。
どれも「ある」に気づくことで、心の中にほっとあたたかい灯りがともります。
「もっと手に入れなきゃ」
「まだ足りない」
そう思っているあいだは、幸せを追いかけている状態。
でも、「ある」を数えはじめると、不思議と追いかけなくても、幸せのほうから、こちらにやって来るようになります。
どんな小さなことでもOK!
ゲーム感覚で「ある」もの探しをはじめてみませんか?